長短経 / 量才
夫人才能參差、大小不同、猶升不可以盛斛、滿則棄矣。非其人而使之、安得不殆乎?〔傅子曰、「凡品才有九、一曰徳行、以立道本、二曰理才、以研事機、三曰政才、以經治體、四曰學才、以綜典文、五曰武才、以禦軍旅、六曰農才、以教耕稼、七曰工才、以作器用、八曰商才、以興國利、九曰辯才、以長諷議。」此量才者也。〕
新字:夫人才能参差、大小不同、猶升不可以盛斛、満則棄矣。非其人而使之、安得不殆乎?〔傅子曰、「凡品才有九、一曰徳行、以立道本、二曰理才、以研事機、三曰政才、以経治体、四曰学才、以綜典文、五曰武才、以禦軍旅、六曰農才、以教耕稼、七曰工才、以作器用、八曰商才、以興国利、九曰弁才、以長諷議。」此量才者也。〕
書き下し
夫れ人の才能は参差として大小同じからず、猶お升は以て斛を盛る可からざるがごとし。満つれば則ち棄つ。其の人に非ずして之を使わば、安くんぞ殆からざるを得んや。〔傅子曰く「凡そ才を品するに九有り。一に曰く徳行、以て道の本を立つ。二に曰く理才、以て事機を研く。三に曰く政才、以て治体を経む。四に曰く学才、以て典文を綜ぶ。五に曰く武才、以て軍旅を禦す。六に曰く農才、以て耕稼を教う。七に曰く工才、以て器用を作る。八に曰く商才、以て国利を興す。九に曰く弁才、以て諷議を長ず」と。此れ才を量る者なり。〕
現代語訳
そもそも人の才能はまちまちで大小が同じではない。一升枡に一斛は盛れないのと同じである。満ちてしまえばあとはこぼれて捨てられる。その器でない人にそれをやらせれば、どうして危うくならずにいられよう。〔傅子はこう言う。「およそ才を品定めするのに九種類ある。一は徳行で、道の根本を立てる。二は理才で、物事の機微を研ぎ澄ます。三は政才で、統治の体制を運営する。四は学才で、典籍と文書を統べる。五は武才で、軍隊を統御する。六は農才で、耕作を教える。七は工才で、器物を作る。八は商才で、国の利益を興す。九は弁才で、議論を導く」。これが才をはかるということである。〕
解説
一升枡に一斛は入らない。当たり前のようでいて、人事ではこれが繰り返されます。満ちれば捨てられる、という一句が残酷です。器を超える仕事を与えられた人は、こぼれた分だけ失敗として記録され、やがて無能の烙印を押されます。壊したのは本人ではなく、量を見誤って注いだ側です。続く傅子の九分類は、才を大小ではなく種類で見るための道具立て。量の話と種類の話を並べて置いているところに、この段の周到さがあります。
この章句が説くこと
量才器人材登用適材適所九品傅子
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