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墨子 / 節用上

今天下為政者,其所以寡人之道多。其使民勞,其籍斂厚,民財不足,凍餓死者不可勝數也。且大人唯毋興師以攻伐鄰國,久者終年,速者數月,男女久不相見,此所以寡人之道也。與居處不安、飲食不時、作疾病死者,有與侵就槖、攻城野戰死者,不可勝數。此非今為政者所以寡人之道數術而起與?聖人為政特無此,聖人為政其所以衆人之道亦數術而起與?故子墨子曰:去無用之務,行聖王之道,天下之大利也。

新字:今天下為政者,其所以寡人之道多。其使民労,其籍斂厚,民財不足,凍餓死者不可勝数也。且大人唯毋興師以攻伐鄰国,久者終年,速者数月,男女久不相見,此所以寡人之道也。与居処不安、飲食不時、作疾病死者,有与侵就槖、攻城野戦死者,不可勝数。此非今為政者所以寡人之道数術而起与?聖人為政特無此,聖人為政其所以衆人之道亦数術而起与?故子墨子曰:去無用之務,行聖王之道,天下之大利也。

書き下し

今、天下の政を為す者、其の人を寡くする所以の道、多し。其の民を使うこと勞し、其の籍斂、厚く、民の財、足らず、凍餓して死する者、勝げて數う可からざるなり。且つ大人、唯だ師を興して以て鄰國を攻伐する毋くんばあらず。久しき者は年を終え、速やかなる者は數月なり。男女、久しく相い見ず。此れ人を寡くする所以の道なり。居處の安からず、飲食の時ならず、疾を作して病死する者と、侵して槖に就き、城を攻め野に戰いて死する者と有りて、勝げて數う可からず。此れ今の政を為す者の人を寡くする所以の道、數術にして起こるに非ざるか。聖人の政を為すは特に此れ無し。聖人の政を為すや、其の人を衆くする所以の道も亦た數術にして起こるか。故に子墨子曰く、無用の務めを去り、聖王の道を行うは、天下の大利なり。

現代語訳

いま天下で政治を行う者は、人を減らす方法が多い。民を使うことが激しく、取り立てが重く、民の財は足りず、凍え飢えて死ぬ者は数え切れない。そのうえ上に立つ者は軍を起こして隣国を攻め伐たずにいない。長ければ一年、短くても数か月。男女は長く会えない。これが人を減らす方法である。住まいが安らかでなく、飲食が時に合わず、病を得て死ぬ者、そして攻め込んで囊に詰められ、城を攻め野で戦って死ぬ者があり、数え切れない。これが今の政治を行う者の、人を減らすさまざまな方法から起きているのではないか。聖人の政治にはこれが無い。聖人が政治を行うときは、人を増やす方法もまたさまざまなやり方から起きるのではないか。だから墨子が言った。無用な務めを取り除き、聖王の道を行うのは、天下の大利である。

解説

人が減る経路を列挙します。重い労役、重い取り立て、貧困、そして戦争による長期の離別と死。減らす方法が「多く」、そのどれもが政策の副産物である点が指摘されています。人材の流出が起きているとき、辞めた個人の理由を聞くより、減らす経路をいくつ作ってしまっているかを数えるほうが早い、という診断法として読めます。

この章句が説くこと

流出経路政策の副産物診断節用

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