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墨子 / 非攻下

意將以為利天乎?夫取天之人,以攻天之邑,此刺殺天民,剝振神之位,傾覆社稷,攘殺其犧牲,則此上不中天之利矣。意將以為利鬼乎?夫殺之神,滅鬼神之主,廢滅先王,賊虐萬民,百姓離散,則此中不中鬼之利矣。意將以為利人乎?夫殺之人,為利人也博矣。又計其費,此為周生之本,竭天下百姓之財用不可勝數也,則此下不中人之利矣。

新字:意将以為利天乎?夫取天之人,以攻天之邑,此刺殺天民,剝振神之位,傾覆社稷,攘殺其犠牲,則此上不中天之利矣。意将以為利鬼乎?夫殺之神,滅鬼神之主,廃滅先王,賊虐万民,百姓離散,則此中不中鬼之利矣。意将以為利人乎?夫殺之人,為利人也博矣。又計其費,此為周生之本,竭天下百姓之財用不可勝数也,則此下不中人之利矣。

書き下し

意うに將に以て天を利すと為さんか。夫れ天の人を取りて、以て天の邑を攻むるは、此れ天民を刺殺し、神の位を剝振し、社稷を傾覆し、其の犧牲を攘殺するなり。則ち此れ上は天の利に中らず。意うに將に以て鬼を利すと為さんか。夫れ之の神を殺し、鬼神の主を滅ぼし、先王を廢滅し、萬民を賊虐して、百姓、離散す。則ち此れ中は鬼の利に中らず。意うに將に以て人を利すと為さんか。夫れ之の人を殺して、人を利すと為すや博きかな。又た其の費を計るに、此れ生を周うするの本を為し、天下百姓の財用を竭くすこと勝げて數う可からざるなり。則ち此れ下は人の利に中らず。

現代語訳

思うに、これは天を利するというのか。天の民を取って天の町を攻めるのは、天の民を刺し殺し、神の位を剥ぎ取り、社稷を覆し、そのいけにえを奪い殺すことである。だからこれは上として天の利に適わない。思うに、これは鬼神を利するというのか。神を殺し、鬼神の祭り主を滅ぼし、先王の祀りを絶ち、万民を虐げて百姓が散り散りになる。だからこれは中として鬼神の利に適わない。思うに、これは人を利するというのか。人を殺しておいて人を利するとは、ずいぶん広い言い方だ。さらにその費用を計算すれば、これは生を全うする根本を損ない、天下の民の財を尽くすこと数え切れない。だからこれは下として人の利に適わない。

解説

前章で示した三つの基準に、順に当てて判定していきます。上・中・下のいずれにも適わない。この三段の判定は非攻下篇の骨格で、以後の非命篇でも同じ形が使われます。判定基準を先に立て、実例をそれに当てて一つずつ確認する——議論の型として完成されており、企画を評価するときのチェックリストとしてそのまま使える構造です。

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