夜船閑話 / 本文
夫經脉の十二は、支の十二に配し、月の十二に應じ、時の十二に合す。六爻變化再周して、一歳を全ふするが如し。五陰上に居し、一陽下を占む。是を地雷復と云ふ。冬至の候なり。眞人の息は是を息するに踵を以てするの謂か。三陽下に位し、三陰上に居す。是を地天泰と云ふ、孟正の候なり。萬物發生の氣を含んで百卉春化の澤を受く。至人元氣をして下に充たしむるの象、人是を得る則は、營衞充實し、氣力勇壯なり。
新字:夫経脉の十二は、支の十二に配し、月の十二に応じ、時の十二に合す。六爻変化再周して、一歳を全ふするが如し。五陰上に居し、一陽下を占む。是を地雷復と云ふ。冬至の候なり。真人の息は是を息するに踵を以てするの謂か。三陽下に位し、三陰上に居す。是を地天泰と云ふ、孟正の候なり。万物発生の気を含んで百卉春化の沢を受く。至人元気をして下に充たしむるの象、人是を得る則は、営衛充実し、気力勇壮なり。
書き下し
夫経脉の十二は、支の十二に配し、月の十二に応じ、時の十二に合す。六爻変化再周して、一歳を全ふするが如し。五陰上に居し、一陽下を占む。是を地雷復と云ふ。冬至の候なり。真人の息は是を息するに踵を以てするの謂か。三陽下に位し、三陰上に居す。是を地天泰と云ふ、孟正の候なり。万物発生の気を含んで百卉春化の沢を受く。至人元気をして下に充たしむるの象、人是を得る則は、営衛充実し、気力勇壮なり。
現代語訳
そもそも十二の経脈は、十二支に配され、十二か月に応じ、十二の時刻に合っている。易の六つの爻が変化して二巡りすると一年が全うされるのと同じである。五つの陰が上にあって一つの陽が下を占める、これを地雷復という。冬至の季節である。真人の呼吸はかかとで息をする、というのはこのことを言うのであろうか。三つの陽が下にあり三つの陰が上にある、これを地天泰という。正月の季節である。万物が生じる気を含んで、あらゆる草木が春の恵みを受ける。道を極めた人が元気を下に満たしている姿であり、人がこれを得れば、血と気が満ち充実し、気力は勇ましく盛んになる。
解説

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『夜船閑話』本文五陰下に居し、一陽上に止まる、是を山地剝と云ふ。九月の候なり。天是を得る則は、林苑色を失し百卉荒落す。是衆人の息は、是を息するに喉を以てするの象、人是を得る則は、形容枯槁し、歯牙揺ぎ落つ。所以に延寿書に云く、六陽共に尽く則は、是全陰の人死し易し。須らく知るべし、元気をして常に下に充しむ、是生を養ふの枢要なることを。
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『夜船閑話』本文夫大道分れて両儀あり、陰陽交和して人物生る。先天の元気中間に黙運して、五臓列り経脉行はる。衛気営血互に昇降循環する者、昼夜に大凡五十度、肺金は牝蔵にして膈上に浮び、肝木は牡蔵にして膈下に沈む。心火は大陽にして上部に位し、腎水は大陰にして下部を占む。五臓に七神あり、脾腎各々二神を蔵くす。呼は心肺より出で、吸は腎肝に入る。一呼に脉の行くこと三寸、一吸に脉の行くこと三寸、昼夜に一万三千五百の気息あり、脉一身を巡行すること五十次、火は軽浮にして、つねに騰昇を好み、水は沈重にして常に下流を務む。
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『夜船閑話』本文許俊が云く、蓋し気下焦に在る則は、其息遠く、気上焦に有る則は、其息促まる。上陽子が曰く、人に真一の気有り、丹田の中に降下する則は、一陽また復す。若人始陽初復の候を知らむと欲せば、暖気を以て是が信とすべし。大凡生を養ふの道、上部は常に清凉ならんことを要し、下部は常に温暖ならんことを要せよ。
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五行大義・第七論徳徳刑焉(ここ)に在り。建子の月は、坤の初六の爻変じて陽と為り、復(ふく)卦事を用う。陽気黄泉の下に動き、陰気蒼天の上に布く。徳は室に在り、刑は野に在りと為す。建丑の月は、坤の六二の爻変じて陽と為り、臨(りん)卦事を用う。陽気稍(やや)出で、万物萌芽す。陰気将に降らんとし、威怒已に衰う。徳は堂に在り、刑は街に在りと為す。建寅の月は、坤の六三の爻変じて陽と為り、泰(たい)卦事を用う。陽気已に達し、陰気降り入り、陰陽交泰し、万物其の牙葉を抽(ぬ)く。徳は庭に在り、刑は巷に在りと為す。建卯の月は、坤の六四の爻変じて陽と為り、大壮(たいそう)卦事を用う。陽気天に上騰し、陰気地に下入し、陰陽の気交わり、万物成り出づ。徳刑俱に門に会す。建辰の月は、坤の六五の爻変じて陽と為り、夬(かい)卦事を用う。陽気上達し、陰気衰微す。徳は巷に在り、刑は庭に在りと為す。建巳の月は、坤の上六の爻変じて陽と為り、純陽事を用う。陽気大いに盛んにして、陰気消除し、万物悦壮し、復た刑殺無し。徳は街に在り、刑は堂に在りと為す。建午の月は、乾の初九の爻変じて陰と為り、遘(こう)卦事を用う。陰気黄泉の下に動き、陽気蒼天の上に布く。徳は野に在り、刑は室に在りと為す。建未の月は、乾の九二の爻変じて陰と為り、遁(とん)卦事を用う。陰気稍昇り、陽気将に損せんとし、万物壮極まりて、皆以て衰老す。徳は街に在り、刑は堂に在りと為す。建申の月は、乾の九三の爻変じて陰と為り、否(ひ)卦事を用う。陽気沈退し、陰気進昇し、陰陽否隔し、殺威方に盛んなり。徳は巷に在り、刑は庭に在りと為す。建酉の月は、乾の九四の爻変じて陰と為り、観(かん)卦事を用う。陽気内に入り、陰気外に施し、陰陽合い争い、万物変衰す。
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五行大義・第十七論八卦八風日の西に在るを以て、故に天兌と曰う。貌(ぼう)順いて木得れば、則ち天兌和と為る。貌失いて木逆らえば、則ち天兌害と為りて、常雨を罰と為す。兌は秋分・霜降を主る。霜降に天震の動気を得れば、則ち天下に霜ふりて、万物死す。震は東方の卦なり。是の時、日は房に在り。房は東方の宿なり。日の東に在るを以て、故に天震と曰う。言順いて金得れば、則ち天震和と為る。言失いて金逆らえば、則ち天震害と為りて、旱(ひでり)を罰とす」と。貌に雨、言に旱とする所以は、震は陽、兌は陰にして、陽は旱、陰は雨なればなり。木の雨ある所以、金の旱ある所以は、その人事の貌失えば、則ち下怨み、陰盛んなる故に雨ふる。言失えば則ち衆を失い、孤陽独り立ちて、群陰附かず、故に旱す。春秋の二時は、震・兌相臨み、天地の気和す、寒熱を極めざる所以なり。坎は冬至・大寒を主る。大寒に天坎の気を得れば、則ち天下大いに寒し。是の時、日は虚に在り。虚は北方の宿なり、故に天坎と曰う。聴順いて水得れば、則ち天坎和と為る。聴失いて水逆らえば、則ち天坎罰と為る、故に常に寒し。離は夏至・大熱を主る。大熱発長して、復た天離の気を得れば、則ち天下大いに熱く、万事畢く出づ。是の時、日は七星に在り。七星は南方の七宿なり、故に天離と曰う。視順いて火得れば、則ち天離和と為る。視失いて火逆らえば、則ち天離罰と為る、故に常に燠(あたた)かし。冬夏の二時は、天地の気併さり、坎・離各々その方に当たる、寒熱を極むる所以なり。
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『淮南子』天文訓天地以て設けられ、分かれて陰陽と爲る。陽は陰に生じ、陰は陽に生ず。陰陽相い錯わりて、四維乃ち通じ、或いは死し或いは生じ、萬物乃ち成る。蚑行喙息、人より貴きは莫し。孔竅肢體、皆な天に通ず。天に九重有り、人にも亦た九竅有り。天に四時有り、以て十二月を制す。人にも亦た四肢有り、以て十二節を使う。天に十二月有り、以て三百六十日を制す。人にも亦た十二肢有り、以て三百六十節を使う。故に事を舉げて天に順わざる者は、其の生を逆らう者なり。日冬至を以て來歲の正月朔日を數え、五十日なる者は、民の食足る。五十日に滿たざれば、日に一斗を減じ、餘る日有れば、日に一升を益す。其の歲司有るなり。