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牧民忠告 / 宣化

欲先教化,去其斁教悖化者,則善類興矣。近年子叛其父,妻離其夫,婦姑勃蹊,昆弟侮鬩,奴不受主命,冠屨倒置者,比比皆然。凡若此者,不必其來告,當風鄉長恆糾,其尤甚者,諭眾而嚴決之,則自𢥠然改行矣。

新字:欲先教化,去其斁教悖化者,則善類興矣。近年子叛其父,妻離其夫,婦姑勃蹊,昆弟侮鬩,奴不受主命,冠屨倒置者,比比皆然。凡若此者,不必其来告,当風鄉長恒糾,其尤甚者,諭眾而厳決之,則自𢥠然改行矣。

書き下し

先ず教化を欲せば、其の教を斁(やぶ)り化に悖(もと)る者を去らば、則ち善類興らん。近年子は其の父に叛き、妻は其の夫を離れ、婦姑(ふこ)勃蹊(ぼっけい)し、昆弟(こんてい)侮鬩(ぶげき)し、奴は主命を受けず、冠屨(かんく)倒置する者、比比(ひひ)皆然り。凡そ此(かく)の若(ごと)き者は、必ずしも其の來り告ぐるを待たず、當に風鄉長をして恆に糾(ただ)さしめ、其の尤も甚だしき者は、眾に諭して嚴に之を決すれば、則ち自ら𢥠然(せきぜん)として行を改めん。

現代語訳

まず教化を行き渡らせようとするならば、教えを損ない道徳を乱す者を取り除けば、善良な人々が興るだろう。近年、子が父に背き、妻が夫のもとを去り、嫁と姑が争い、兄弟が互いに侮り合い、奴僕が主人の命令を聞かず、上下の秩序が転倒している例が至る所に見られる。このような者は、必ずしも訴え出るのを待つ必要はなく、地域の郷長に常に取り締まらせ、特にひどい者は人々に告げ知らせて厳しく処断すれば、自然と恐れ入って行いを改めるだろう。

解説

「明綱常」は、人倫の秩序が乱れている現状を憂い、教化の前提としてまず悪しき前例を厳しく正すべきだと説く一条である。張養浩は、親子・夫婦・嫁姑・兄弟・主従といった基本的な関係の崩壊を具体的に列挙し、これを放置すれば善良な風俗は育たないとする。教化とは単に理念を説くだけでなく、悪しき行為を摘発し公に処断することで初めて実効性を持つという現実的な認識が示されている。組織においても、理念やビジョンを掲げるだけでなく、規律違反を見過ごさず毅然と対処することが、健全な文化を育てる前提となる。指導者は寛容と厳格さの両方を使い分ける必要がある。

この章句が説くこと

明綱常人倫教化秩序

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