孫子 / 作戦篇
國之貧於師者遠輸,遠輸則百姓貧。
新字:国之貧於師者遠輸,遠輸則百姓貧。
書き下し
国の師に貧しきは遠く輸すればなり。遠く輸すれば百姓貧し。
現代語訳
遠距離輸送は人民を貧しくする。
解説
作戦篇で、遠征のコストが社会を蝕む構造を説いた一節です。国が軍のために貧しくなるのは、遠くまで物資を運ぶからだ。遠距離の輸送が続けば、その負担はやがて民を貧しくする、と孫子は指摘します。戦いの費用は前線だけでなく、それを支える後方の人々の暮らしをじわじわ削っていく、という冷静な観察です。組織でも、遠く離れた場所への継続的な資源投入は、輸送や維持のコストが膨らみ、本体の体力を奪います。手が届かない領域に力を注ぎ続けるほど、目に見えないコストがかさむ。だからこそ、戦線を広げすぎない、補給線を短く保つという判断が要ります。「遠さ」そのものがコストだという視点を、孫子は忘れませんでした。
この章句が説くこと
輸送コスト
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