商君書 / 靳令
國貧而務戰、毒輸於敵、無六蝨、必彊。國富而不戰、偷生於內、有六蝨、必弱。國以功授官予爵、此謂以盛知謀、以盛勇戰。以盛勇戰、以盛知謀、其國必無敵。
新字:国貧而務戦、毒輸於敵、無六蝨、必彊。国富而不戦、偷生於内、有六蝨、必弱。国以功授官予爵、此謂以盛知謀、以盛勇戦。以盛勇戦、以盛知謀、其国必無敵。
書き下し
國貧しくして戰を務むれば、毒は敵に輸せられ、六蝨無くして、必ず彊し。國富みて戰わざれば、偷、內に生じ、六蝨有りて、必ず弱し。國、功を以て官を授け爵を予うる、これを盛知を以て謀り、盛勇を以て戰うと謂う。盛勇を以て戰い、盛知を以て謀らば、その國は必ず敵無し。
現代語訳
国が貧しくても戦いに努めれば、毒は敵のほうへ流れ、六つの寄生虫は生じず、必ず強い。国が富んでいながら戦わなければ、怠惰が内側に生まれ、六つの寄生虫が生じて、必ず弱い。国が功績によって官職を授け爵位を与えることを、優れた知恵で謀り優れた勇気で戦う、という。優れた勇気で戦い、優れた知恵で謀れば、その国に敵はない。
解説
「國富みて戰わざれば、偷、內に生ず」——豊かなのに外に向かって戦わなければ、怠惰が内側から湧く。順調な会社が内向きの調整に時間を費やし始める現象を、二千三百年前に同じ形で述べている。ここでいう戦いとは戦争のことだが、組織にとっては外の市場に向かう挑戦のことだ。挑戦の対象を失った豊かさが何を生むかは、いまも変わらない。そしてその状態を防ぐ唯一の手段として挙げられるのが、功績によって地位を配ることである。
この章句が説くこと
国富みて戦わざれば偸内に生ず六蝨功を以て官を授く内向きの組織
関連する章句
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『商君書』靳令國、功を以て官を授け爵を予うれば、則ち治は省にして言は寡なし。これを法を以て法を去り、言を以て言を去ると謂う。國、六蝨を以て官を授け爵を予うれば、則ち治は煩わしく言は生ず。これを法を以て法を致し、言を以て言を致すと謂う。則ち君は說言に務め、官は治邪に亂る。邪臣は志を得る有り、功有る者は日に退く。これを守を失うと謂う。十を守る者は亂れ、壹を守る者は治まる。法已に定まりて、六蝨を用うるを好む者は亡ぶ。民、畢く農せば、則ち國は富む。六蝨用いられざれば、則ち兵民は畢く競い勸みて主の用と為るを樂しむ。その境內の民、爭いて以て榮と為し、以て辱と為す莫し。その次は賞に勸められ罰に沮まる。その下は、民これを惡み、これを憂え、これを羞ず。容を修めて以て言い、貧を恥じて以て外交し、以て農戰を避け、外交して以て備う。國の危うきなり。饑寒死亡有るも、利祿の故の為に戰わざる、これ亡國の俗なり。
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『商君書』靳令六蝨とは、曰く禮樂、曰く詩書、曰く修善、曰く孝弟、曰く誠信、曰く貞廉、曰く仁義、曰く非兵、曰く羞戰。國に十二者有らば、上に農戰せしむる無く、必ず貧しくして削らるるに至る。十二者、群を成す。これを君の治、その臣に勝たず、官の治、その民に勝たずと謂う。これを六蝨、その政に勝つと謂うなり。十二者、樸を成せば、必ず削らる。
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『商君書』弱民民弱ければ國は強く、民強ければ國は弱し。故に道有るの國は、務め民を弱くするに在り。樸なれば則ち強く、淫なれば則ち弱し。弱ければ則ち軌り、淫なれば則ち志を越ゆ。弱ければ則ち用有り、志を越ゆれば則ち強し。故に曰く、「強を以て強を去る者は弱く、弱を以て強を去る者は強し」と。民、これを善くすれば則ち和し、これを利すれば則ち用いらる。用いらるれば則ち任有り、和すれば則ち匱し。任有らば乃ち政に富む。上、法を舍てて、民の善しとする所に任ず、故に姦多し。民貧しければ則ち富を力め、民富めば則ち淫す。淫すれば則ち蝨有り。故に民富みて用いられざれば、則ち民をして食を以て爵を出でしむ。爵は必ずその力を以てすれば、則ち農は偷まず。農偷まざれば、六蝨は萌す無し。故に國富みて民治まれば、重ねて強し。
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『商君書』弱民農・商・官の三者は、國の常官なり。農は地を闢き、商は物を致し、官は民を治む。三官に蝨六を生ず。曰く歲、曰く食、曰く美、曰く好、曰く志、曰く行。六者に樸有らば、必ず削らる。農に餘食有らば、則ち歲に薄燕す。商に淫利有らば、美好有りて器を傷る。官設けられて用いられざれば、志行は卒と為る。六蝨、俗を成せば、兵は必ず大いに敗る。法枉がれば治は亂れ、善に任ずれば言多し。治まること眾ければ國は亂れ、言多ければ兵は弱し。法明らかなれば治は省なり、力に任ずれば言は息む。治省なれば國は治まり、言息めば兵は強し。
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『商君書』靳令令を靳めば則ち治は留まらず、法平らかなれば則ち吏に姦無し。法已に定まれば、善言を以て法を害せず。功に任ずれば則ち民は言少なく、善に任ずれば則ち民は言多し。法を行うに斷に由る。五里を以て斷ずる者は王たり、十里を以て斷ずる者は彊く、宿して治むる者は削らる。刑を以て治め、賞を以て戰わしむ。過ちを求めて善を求めず。故に法立ちて革めざれば、則ち顯民の變ずるも奸計あり、奸計止まば、齊を貴び殊使し、百官の尊爵、厚祿にして以て自ら伐る。國に姦民無ければ、則ち都に姦市無し。物多く末眾ければ、農は弛み姦は勝つ。則ち國は必ず削らる。民に餘糧有らば、民をして粟を以て官爵を出でしむ。官爵は必ずその力を以てすれば、則ち農は怠らず。四寸の管に當無くんば、必ず滿たざるなり。官を授け爵を予え祿を出だすに功を以てせざるは、これ當無きなり。