新序 / 節士第七
許悼公疾瘧,飲藥毒而死,太子止自責不嘗藥,不立其位。與其弟緯專哭泣,啜餰粥,嗌不容粒,痛己之不嘗藥,未逾年而死,故春秋義之。
新字:許悼公疾瘧,飲薬毒而死,太子止自責不嘗薬,不立其位。与其弟緯専哭泣,啜餰粥,嗌不容粒,痛己之不嘗薬,未逾年而死,故春秋義之。
書き下し
許の悼公瘧を疾む。藥を飲みて毒せられて死す。太子止自ら藥を嘗めざるを責め、其の位に立たず。其の弟緯と專ら哭泣し、餰粥を啜る。嗌に粒を容れず。己の藥を嘗めざるを痛み、未だ年を逾えずして死す。故に春秋之を義とす。
現代語訳
許の悼公がおこりを患った。薬を飲んで中毒して死んだ。太子の止は自ら薬を毒味しなかったことを責め、その位に就かなかった。弟の緯とひたすら泣き、薄い粥をすすった。喉に粒を通さなかった。自分が薬を毒味しなかったことを痛み、一年もたたないうちに死んだ。だから『春秋』はこれを義とした。
解説
六十二字の短い章です。誰も彼を責めていません。医者でもなく、毒を盛ったのでもない。それでも位に就きませんでした。自ら薬を毒味しなかったことを責め、その位に就かなかった。先に味見をしていれば、という一点だけを負っています。そして食を細らせて一年ももちませんでした。喉に粒を通さなかった。責任の取り方として、ここまでする必要があったのかは書かれていません。義とだけ記されています。
この章句が説くこと
許の悼公瘧を疾む薬を飲みて毒せられて死す太子止自ら薬を嘗めざるを責め其の位に立たず嗌に粒を容れず己の薬を嘗めざるを痛み未だ年を逾えずして死す責任自責
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