呻吟語 / 外篇・治道・誰か此の風を始めし
古人事業精專,志向果確,一到手便做,故孔子治魯三日而教化大行。今世居官,奔走奉承,簿書期會,不緊要底虛文,先佔了大半工夫,況平日又無修政立事之心、急君愛民之志,蹉跎因循,但以浮泛之精神了目前之俗事。即有志者,亦不過將正經職業帶修一二足矣。誰始此風?誰甚此風?誰當責任而不易此風?此三人之罪不止於罷黜矣。
新字:古人事業精専,志向果確,一到手便做,故孔子治魯三日而教化大行。今世居官,奔走奉承,簿書期会,不緊要底虚文,先佔了大半工夫,況平日又無修政立事之心、急君愛民之志,蹉跎因循,但以浮泛之精神了目前之俗事。即有志者,亦不過将正経職業帯修一二足矣。誰始此風?誰甚此風?誰当責任而不易此風?此三人之罪不止於罷黜矣。
書き下し
古人は事業精專にして、志向果確なり。一たび手に到れば便ち做す。故に孔子魯を治むること三日にして教化大いに行はる。今世官に居るは、奔走奉承、簿書期會、緊要ならざる底の虛文、先づ大半の工夫を佔め了はる。況んや平日又た政を修め事を立つるの心、君に急ぎ民を愛するの志無く、蹉跎因循して、但だ浮泛の精神を以て目前の俗事を了するをや。即ち志有る者も、亦た正經の職業を將て帶修すること一二にして足れりとするに過ぎず。誰か此の風を始めし。誰か此の風を甚だしくせし。誰か責任に當たりて此の風を易へざる。此の三人の罪は罷黜に止まらず。
現代語訳
昔の人は事業が精しく専らで、志が果断で確かでした。手が届けばすぐやります。だから孔子は魯を治めて三日で教化が大いに行われました。今の世で官に居るのは、走り回って追従し、帳簿と会合と、重要でない空文が、先に大半の労力を占めてしまいます。まして平生に政を修め事を立てる心も、君に急ぎ民を愛する志も無く、ぐずぐずと旧に従い、浮ついた精神で目先の俗事を片付けるだけならなおさらです。志ある者でさえ、本来の職務を片手間に一つ二つ修めれば足りるとする程度です。誰がこの風を始めたのか。誰がこの風をひどくしたのか。誰が責任を負いながらこの風を変えないのか。この三者の罪は罷免では済みません。
解説
この章句が説くこと
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