呻吟語 / 外篇・治道・混呼雜命、概怒偏勞
使眾之道,不分職守,則分日月,然後有所責成而上不勞,無所推委而下不奸。混呼雜命,概怒偏勞,此不可以使二人,況眾人乎?勤者苦,惰者逸,訥者冤,辯者欺,貪者飽,廉者饑,是人也,即為人下且不能,而使之為人上,可歎也夫!
新字:使眾之道,不分職守,則分日月,然後有所責成而上不労,無所推委而下不奸。混呼雑命,概怒偏労,此不可以使二人,況眾人乎?勤者苦,惰者逸,訥者冤,弁者欺,貪者飽,廉者饑,是人也,即為人下且不能,而使之為人上,可嘆也夫!
書き下し
眾を使ふの道は、職守を分かたずんば、則ち日月を分かつ。然る後に責成する所有りて上勞せず、推委する所無くして下奸ならず。混呼雜命、概怒偏勞は、此れ以て二人を使ふ可からず。況んや眾人をや。勤むる者は苦しみ、惰る者は逸し、訥なる者は冤み、辯なる者は欺き、貪る者は飽き、廉なる者は饑う。是の人や、即ち人の下と為るすら且つ能はず。而るに之をして人の上と為らしむるは、歎ず可きかな。
現代語訳
多くの人を使うやり方は、職務を分けないなら日と月で分けます。そうすれば成果を求める先があって上は疲れず、押しつける先が無くて下は狡くなりません。ごちゃまぜに呼び雑に命じ、一括して怒り偏って働かせるのは、二人を使うにも足りません。まして大勢ならなおさらです。勤める者は苦しみ、怠る者は楽をし、口下手な者は冤を受け、口達者な者は欺き、貪る者は飽き、廉潔な者は飢えます。こういう人は、人の下になることすらできません。それを人の上に立たせるのは、嘆かわしいことです。
解説
分担の無い職場で起こることを、六つ並べます。勤める者が苦しみ怠る者が楽をし、口下手が冤を受け口達者が欺く。どれも実力と結果が逆転しています。原因は単純で、職務も期間も分けていないからです。分ければ成果を求める先ができ、押しつける先が無くなる。上の疲れと下の狡さが同じ原因から出ているという指摘が、要点になっています。
この章句が説くこと
分担責任逆転混呼成果
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