呻吟語 / 外篇・品藻・是れ其の不肖を益すなり
世之人常把好事讓與他人做,而甘居已於不肖,又要掠個好名兒在身上,而詆他人為不肖。悲夫!是益其不肖也。
新字:世之人常把好事譲与他人做,而甘居已於不肖,又要掠個好名児在身上,而詆他人為不肖。悲夫!是益其不肖也。
書き下し
世の人は常に好事を把りて他人に讓り做さしめ、而して甘んじて己を不肖に居き、又た個の好名兒を身上に掠めんと要して、他人を不肖と詆る。悲しいかな、是れ其の不肖を益すなり。
現代語訳
世の人はいつも良い事を他人に譲ってやらせ、自分は甘んじて不肖の側に身を置き、それでいて良い評判だけは自分のものにしようとして、他人を不肖だと謗ります。悲しいことです。それでは自分の不肖を増やすだけです。
解説
良い事はやらず、良い評判だけを欲しがる態度を突きます。譲るのは謙遜に見えますが、実際は自分がやりたくないだけ。そのうえで他人を謗る。行いと評判が完全に逆になっている構図です。そして結論が簡潔で、それは自分の不肖を増やすだけ。二重の身勝手を一行で言い当てています。行いと評判が完全に逆になっている構図です。
この章句が説くこと
譲る評判身勝手謗り不肖
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