師導古典を学びたいすべての人に

列子 / 湯問篇

薛譚學謳於秦青、未窮青之技、自謂盡之、遂辭歸。秦青弗止、餞於郊衢、撫節悲歌、聲振林木、響遏行雲。薛譚乃謝求反、終身不敢言歸。

新字:薛譚学謳於秦青、未窮青之技、自謂尽之、遂辞帰。秦青弗止、餞於郊衢、撫節悲歌、声振林木、響遏行雲。薛譚乃謝求反、終身不敢言帰。

書き下し

薛譚謳を秦青に學ぶ。未だ青の技を窮めざるに、自ら之を盡くせりと謂い、遂に辭して歸る。秦青止めず、郊衢に餞す。節を撫して悲歌すれば、聲は林木を振るわし、響きは行雲を遏む。薛譚乃ち謝して反らんことを求め、終身敢えて歸るを言わず。

現代語訳

薛譚は歌を秦青に学んだ。まだ秦青の技を究めきっていないのに、自分でもう会得したと思い、いとまを告げて帰ろうとした。秦青は止めず、郊外の街道で送別の宴を開いた。拍子を取って悲しい歌をうたうと、その声は林の木々を震わせ、響きは流れる雲を止めた。薛譚はそこで詫びて戻りたいと願い、生涯二度と帰るとは言わなかった。

解説

引き止めなかったところが、この話の要です。秦青は説得も叱責もせず、送別の席で一曲うたっただけでした。それで足りた。弟子が自分の到達を過大に見積もっているとき、言葉で正すのは難しい。上の水準を一度見せれば、本人が勝手に気づきます。そして秦青は、そのために引き止めるのをやめて、送別の場を作りました。去る場面でしか、見せられないものがあった。人が辞めると言い出したとき、慰留の言葉を並べるより、最後にもう一度こちらの水準を見せるほうが効くことがあります。ただし、見せられる水準を持っていなければ、この手は使えません。

この章句が説くこと

未だ青の技を窮めざるに自ら之を尽くせりと謂う声は林木を振るわし響きは行雲を遏む

関連する章句

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる