宋名臣言行録 / 後集巻九・曾鞏
公所至出教事應下縣責其屬度緩急與之期期未盡不復移書督促期盡不報按其罪期與事不相當聽縣自言别與之期而按與期者即有所追逮州不遣人至縣縣毋遣人呼其門縣初未甚聽公小則罰典吏大則并劾縣官於是莫敢慢事皆先期而集民不知擾所省文移數十倍
新字:公所至出教事応下県責其属度緩急与之期期未尽不復移書督促期尽不報按其罪期与事不相当聴県自言別与之期而按与期者即有所追逮州不遣人至県県毋遣人呼其門県初未甚聴公小則罰典吏大則并劾県官於是莫敢慢事皆先期而集民不知擾所省文移数十倍
書き下し
公至る所教を出し、事の下縣に應ずる者は其の屬に責めて緩急を度り之に期を與う。期未だ盡きざれば復た書を移して督促せず。期盡きて報ぜずんば其の罪を按ず。期と事と相い當たらずんば縣の自ら言うを聽し、別に之に期を與えて期を與えし者を按ず。追逮する所有らば州は人を遣わして縣に至らしめず、縣は人を遣わして其の門に呼ばしむる毋からしむ。縣初め未だ甚だしくは聽かず。公小なれば則ち典吏を罰し、大なれば則ち并せて縣官を劾す。是に於いて敢えて事を慢る莫く、皆期に先んじて集まる。民擾を知らず。省く所の文移數十倍なり。
現代語訳
公は赴任した先々で指示を出し、県に下ろす事柄については、その担当に対して急ぎ具合を見積もらせ、期限を与えた。期限がまだ来ないうちは、あらためて文書を出して催促しなかった。期限が来て報告がなければ、その罪を調べた。期限と事柄とが釣り合っていない場合は、県が自ら申し出るのを認め、別に期限を与えたうえで、その期限を与えた者のほうを調べた。捕らえるべき者があれば、州は人を遣わして県に行かせず、県も人を遣わしてその門で呼ばわらせないようにした。県ははじめ、あまり従わなかった。公は小さければ担当の吏を罰し、大きければ県の官まで併せて弾劾した。そこで誰も事を怠らなくなり、みな期限より先に揃った。民は煩わされることを知らなかった。省かれた文書のやりとりは数十倍であった。
解説
催促をやめるために、決めごとを二つ置いています。**期限がまだ来ないうちは、あらためて文書を出して催促しなかった。**その代わり、来たら調べる。そしてもう一つが要でした。**期限と事柄とが釣り合っていない場合は、県が自ら申し出るのを認め、別に期限を与えたうえで、その期限を与えた者のほうを調べた。**無理な期限を切った側が責められる。だから期限が現実的になり、催促がいらなくなります。
この章句が説くこと
事の下県に応ずる者は其の属に責めて緩急を度り之に期を与う期未だ尽きざれば復た書を移して督促せず期と事と相い当たらずんば県の自ら言うを聴し別に之に期を与えて期を与えし者を按ず皆期に先んじて集まる民擾を知らず期限督促
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