宋名臣言行録 / 後集巻四・劉敞
兩制諸公多求補郡者公上疏論邪臣正臣之分正臣常難進而易退邪臣常易進而難退願陛下叅任觀之吕溱蔡襄歐陽脩賈黯韓絳皆有真質無流心論議不阿執政有益當世者誠不宜許其外補使四方有以窺朝廷啓奸幸之心上悟頗留脩等
新字:両制諸公多求補郡者公上疏論邪臣正臣之分正臣常難進而易退邪臣常易進而難退願陛下参任観之呂溱蔡襄欧陽脩賈黯韓絳皆有真質無流心論議不阿執政有益当世者誠不宜許其外補使四方有以窺朝廷啓奸幸之心上悟頗留脩等
書き下し
兩制の諸公、多く郡に補せられんことを求む。公上疏して邪臣正臣の分を論ず。正臣は常に進み難くして退き易く、邪臣は常に進み易くして退き難し。願わくは陛下、任を參して之を觀よ。呂溱・蔡襄・歐陽脩・賈黯・韓絳は皆眞質有りて流心無し。議論は執政に阿らず。當世に益有る者なり。誠に宜しく其の外補を許すべからず。四方をして以て朝廷を窺い奸幸の心を啓く有らしむと。上悟りて頗る脩等を留む。
現代語訳
両制の諸公の多くが、地方の郡に転出することを願い出た。劉敞は上疏して、邪な臣と正しい臣の分かれ目を論じた。「正しい臣は常に進みにくく退きやすく、邪な臣は常に進みやすく退きにくいものです。どうか陛下、任命を照らし合わせてご覧ください。呂溱・蔡襄・欧陽脩・賈黯・韓絳は、みな真の資質があって流されるところがありません。議論は執政におもねりません。当世のためになる者たちです。まことに、その地方転出をお許しになるべきではありません。四方の者に朝廷の内情をうかがわせ、よこしまな幸いを狙う心を開かせることになります」。天子は悟って、欧陽脩たちをかなり引き留めた。
解説
退職や転出の申し出が続いたときに、その内訳を読み解いた条です。正しい臣は常に進みにくく退きやすく、邪な臣は常に進みやすく退きにくい。同じ組織で、出て行く人と残る人が最初から偏る。だから転出の願いを一律に認めると、残る顔ぶれが自動的に入れ替わります。その地方転出をお許しになるべきではありません。そして、外から見た効果まで挙げました。四方の者に朝廷の内情をうかがわせ、よこしまな幸いを狙う心を開かせることになります。
この章句が説くこと
両制の諸公多く郡に補せられんことを求む正臣は常に進み難くして退き易く邪臣は常に進み易くして退き難し皆真質有りて流心無し議論は執政に阿らず誠に宜しく其の外補を許すべからず進退選別
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