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宋名臣言行録 / 前集巻五・王曽

公嘗以大臣執政不當收恩避怨曰恩欲歸已怨使誰當聞者歎服

新字:公嘗以大臣執政不当収恩避怨曰恩欲帰已怨使誰当聞者嘆服

書き下し

公嘗て大臣の執政するに、當に恩を收め怨を避くべからずと以て曰く、恩は已に歸せんと欲す。怨は誰をして當たらしめんとすと。聞く者歎服す。

現代語訳

公はかつて、大臣が政を執るのに恩を自分に集めて怨みを避けてはならないとして言った。「恩は自分に帰そうとする。では怨みは誰に引き受けさせるつもりか」。それを聞いた者は感服した。

解説

前の条の理屈を、二十六字に詰めた条です。恩は自分に帰そうとする。では怨みは誰に引き受けさせるつもりか。恩だけ取って怨みを避ける、という組み合わせが成り立たないことを言っています。恩と怨みは同じ判断から出るのだから、片方だけ自分のものにはできない。取るなら両方、置くなら両方、ということです。取るなら両方、置くなら両方だ、という言い方になっています。

この章句が説くこと

恩は已に帰せんと欲す怨は誰をして当たらしめんとす大臣の執政するに当に恩を収め怨を避くべからず聞く者嘆服す恩怨み責任

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