孔子家語 / 七十二弟子解
伯虔,字楷,少孔子五十歲。
書き下し
伯虔は、字は楷、孔子より少きこと五十歲。
現代語訳
伯虔は、字を楷といい、孔子より50歳年下であった。
解説
この一文は、伯虔について字と孔子との年齢差のみを伝える、七十二弟子解の中でもとりわけ簡素な記述です。出身国すら記されていない点は、他の弟子の記述と比べても情報量が少なく、後世に伝わる伝承や資料が極めて限られていたことをうかがわせます。それでも、七十二弟子として名を連ねているということは、伯虔が孔子から正式に教えを受けた門人として当時認識されていたことの証といえます。古代の記録は、身分の高い者や顕著な功績を残した者を中心に厚く残る一方、多くの門人については名前と簡単な属性だけが辛うじて後世に伝わるにとどまりました。伯虔のような簡潔な記述からも、孔子の教団がいかに多くの、そして多様な出自の人々によって構成されていたかを推し量ることができます。現代においても、記録に残る功績の大小にかかわらず、ある集団や学問の系譜に確かに連なった存在があったことを想像する視点は大切です。
この章句が説くこと
伯虔簡略な記録七十二弟子孔子晩年の門人史料の限界