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管子 / 輕重甲

齊之北澤燒,火光照堂下。管子入賀桓公曰:「吾田野辟,農夫必有百倍之利矣。」是嵗租税九月而具,粟又美。桓公召管子而問曰:「此何故也?」管子對曰:「萬乗之國,千乗之國,不能無薪而炊。今北澤燒,莫之續,則是農夫得居裝而賣其薪蕘,一束十倍。則春有以倳耜,夏有以決芸。此租税所以九月而具也。」

新字:斉之北沢焼,火光照堂下。管子入賀桓公曰:「吾田野辟,農夫必有百倍之利矣。」是歳租税九月而具,粟又美。桓公召管子而問曰:「此何故也?」管子対曰:「万乗之国,千乗之国,不能無薪而炊。今北沢焼,莫之続,則是農夫得居装而売其薪蕘,一束十倍。則春有以倳耜,夏有以決芸。此租税所以九月而具也。」

書き下し

齊の北澤燒け、火光堂下を照らす。管子入りて賀して桓公に曰く、「吾が田野辟け、農夫必ず百倍の利有らん」と。是の歳租税は九月にして具わり、粟も又た美なり。桓公管子を召して問いて曰く、「此れ何の故ぞや」と。管子對えて曰く、「萬乗の國、千乗の國も、薪無くして炊ぐ能わず。今北澤燒けて、之を續ぐ莫ければ、則ち是れ農夫は裝を居きて其の薪蕘を賣るを得、一束にして十倍す。則ち春には以て耜を倳つる有り、夏には以て芸を決する有り。此れ租税の九月にして具わる所以なり」と。

現代語訳

斉の北の沢が焼け、その明かりが屋敷の下まで照らした。管子は入ってきて祝いを述べ、桓公に言った。我が国の田野は開け、農夫にはきっと百倍の利がありましょう。その年の租税は九月には揃い、粟の出来もよかった。桓公は管子を呼んで問うた。これはなぜか。管子が答えた。万乗の国も千乗の国も、薪がなければ煮炊きができません。いま北の沢が焼けて、それを継ぐものがない。すると農夫は蓄えを手元に置いて薪や柴を売ることができ、一束で十倍になる。だから春には鋤を立てる元手があり、夏には草取りを片づける元手がある。これが租税が九月に揃ったわけです。

解説

沢が焼けて火が屋敷まで照らす。ふつうなら凶事です。管子は入ってきて祝いを述べました。薪がなければどんな国も煮炊きできないから、農夫の持つ薪の値が十倍になると読んだからです。その金で春の鋤も夏の草取りも回る。同じ火事を、被害ではなく値の変化として見ている一段でした。

この章句が説くこと

斉の北沢焼け火光堂下を照らす管子入りて賀す万乗の国千乗の国も薪無くして炊ぐ能わず農夫は其の薪蕘を売るを得一束にして十倍す災害供給

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