管子 / 地員
羣土之長,是唯五粟。五粟之物,或赤,或青,或白,或黒或黄。五粟五章。五粟之狀,淖而不肕,剛而不觳,不濘車輪,不汚手足。其種大重、細重、白莖、白秀,無不宜也。五粟之土,若在陵在山,在隫在衍。其隂其陽,盡宜桐柞,莫不秀長。其榆其柳,其檿其桑,其柘其櫟,其槐其楊,羣木蕃滋,數大條直以長。其澤則多魚,牧則宜牛羊。其地其樊,俱宜竹箭,藻楢檀,五臭生之。薜荔白芷,蘪蕪椒連,五臭所校。寡疾難老,士女皆好,其民工巧。其泉黄白,其人夷姤。五粟之土,乾而不挌,湛而不澤,無髙下,葆澤以處,是謂粟土。
新字:羣土之長,是唯五粟。五粟之物,或赤,或青,或白,或黒或黄。五粟五章。五粟之状,淖而不肕,剛而不觳,不濘車輪,不汚手足。其種大重、細重、白茎、白秀,無不宜也。五粟之土,若在陵在山,在隫在衍。其陰其陽,尽宜桐柞,莫不秀長。其榆其柳,其檿其桑,其柘其櫟,其槐其楊,羣木蕃滋,数大条直以長。其沢則多魚,牧則宜牛羊。其地其樊,倶宜竹箭,藻楢檀,五臭生之。薜荔白芷,蘪蕪椒連,五臭所校。寡疾難老,士女皆好,其民工巧。其泉黄白,其人夷姤。五粟之土,乾而不挌,湛而不沢,無高下,葆沢以処,是謂粟土。
書き下し
羣土の長は、是れ唯だ五粟のみ。五粟の物は、或いは赤、或いは青、或いは白、或いは黒、或いは黄なり。五粟に五章あり。五粟の狀は、淖くして肕からず、剛くして觳からず、車輪を濘まさず、手足を汚さず。其の種は大重・細重・白莖・白秀、宜しからざる無きなり。五粟の土は、陵に在り山に在り、隫に在り衍に在るが若きも、其の隂も其の陽も、盡く桐柞に宜しく、秀で長ぜざるは莫し。其の榆其の柳、其の檿其の桑、其の柘其の櫟、其の槐其の楊、羣木蕃り滋り、數々大にして條直く以て長し。其の澤は則ち魚多く、牧は則ち牛羊に宜し。其の地其の樊、俱に竹箭に宜しく、藻楢檀、五臭之に生ず。薜荔白芷、蘪蕪椒連、五臭の校わる所なり。疾に寡なく老い難く、士女皆な好く、其の民は工巧なり。其の泉は黄白、其の人は夷姤なり。五粟の土は、乾きて挌せず、湛して澤せず、髙下と無く、澤を葆ちて以て處る、是を粟土と謂う。
現代語訳
多くの土のなかでいちばんは、五粟である。五粟のものには、赤いもの、青いもの、白いもの、黒いもの、黄色いものがある。五粟には五つの区分がある。五粟のありさまは、やわらかいのに粘りつかず、堅いのにもろくなく、車輪をぬかるませず、手足を汚さない。その種は大重も細重も白茎も白秀も、適さないものがない。五粟の土は、丘にあっても山にあっても、堤にあっても平野にあっても、日陰でも日向でも、みな桐や柞に適し、伸びて秀でないものがない。楡も柳も、檿も桑も、柘も櫟も、槐も楊も、多くの木が茂り育ち、たびたび大きくなり、枝はまっすぐに長い。その沢には魚が多く、牧には牛や羊が向く。その土地もその周りも、ともに竹や矢竹に向き、藻や楢や檀が生え、五つの香りのものが生じる。薜荔と白芷、蘪蕪と椒連、五つの香りが交わるところである。病が少なく老いにくく、男も女もみな健やかで、その民は手先が器用である。その泉は黄と白で、その人は穏やかで美しい。五粟の土は、乾いてもひび割れず、水につかっても水浸しにならず、高い低いに関わらず、うるおいを保っている。これを粟土という。
解説
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『管子』地員粟土の次は五沃と曰う。五沃の物は、或いは赤、或いは青、或いは黄、或いは白、或いは黒なり。五沃の五物、各おの異なる則有り。五沃の狀は、剽怸にして槖土、蟲は全處を易とす。怸剽にして白からず、下は乃ち澤を以てす。其の種は大苗・細苗・赨莖・黒秀・箭長なり。五沃の土は、丘に在り山に在り、陵に在り岡に在り、若しくは陬に在るが若し。陵の陽、其の左其の右、彼の羣木に宜しく、桐柞枎櫄、及び彼の白梓、其の梅其の杏、其の桃其の李、其の秀でて生じ莖起こる。其の棘其の棠、其の槐其の楊、其の榆其の桑、其の杞其の枋、羣禾數々大に、條直く以て長し。其の隂は則ち之に楂棃を生じ、其の陽は則ち安んじて之に五麻を樹う。髙きが若く下きが若く、疇所を擇ばず。其の麻の大なる者は箭の如く葦の如く、大きく長くして以て美なり。其の細き者は雚の如く蒸の如し。與に各おの有らんと欲し、大なる者は類せず、小なる者は則ち治まり、揣りて之を藏むれば、衆く練れる絲の若し。五臭疇に生ず、蓮と蘪蕪、藁本白芷なり。其の澤は則ち魚多く、牧は則ち牛羊に宜し。其の泉は白青、其の人は堅勁にして、疥騷有ること寡なく、終に痟酲無し。五沃の土は、乾きて斥せず、湛して澤せず、髙下と無く、澤を葆ちて以て處る、是を沃土と謂う。
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『管子』地員凡そ上土は三十物、種は十二物なり。中土を五怸と曰う。五怸の狀は、廪然として壏の如く、潤濕にして以て處る。其の種は大稷・細稷、赨莖黄秀、慈忍たり、水旱には細粟麻の如し。果木を蓄殖するに、三土に若かざること十分の三を以てす。怸土の次は五纑と曰う。五纑の狀は、彊力剛堅なり。其の種は大邯鄲・細邯鄲、莖葉は枎櫄の如く、其の粟大なり。果木を蓄殖するに、三土に若かざること十分の三を以てす。纑土の次は五壏と曰う。五壏の狀は、芬焉として糠の若くして以て肥ゆ。其の種は大荔・細荔、青莖黄秀なり。果木を蓄殖するに、三土に若かざること十分の三を以てす。
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『管子』地員沃土の次は五位と曰う。五位の物は、五色英を襍え、各おの異章有り。五位の狀は、塥せず灰ならず、青怸として以て菭及す。其の種は大葦無・細葦無、赨莖白秀なり。五位の土は、岡に在り陵に在り、隫に在り衍に在り、丘に在り山に在るが若きも、皆な竹箭・求黽・楢檀に宜し。其の山の淺きには、蘢と斥と有り、羣木安んじて逐い、條長く數々大なり。其の桑其の松、其の杞其の茸、種木胥な容れ、榆桃柳楝あり。羣藥安んじて生じ、薑と桔梗、小辛大蒙あり。其の山の梟には、桔符榆多し。其の山の末には、箭と苑と有り。其の山の旁らには、彼の黄䖟、及び彼の白昌有り。山藜葦芒、羣藥安んじて聚まり、以て民の殃を圉ぐ。其の林其の漉、其の槐其の楝、其の柞其の榖、羣木安んじて逐う。鳥獸安んじて施き、既に麋麃有り、又た且つ鹿多し。其の泉は青黒、其の人は輕直にして、事を省き食を少なくす。髙下と無く、澤を葆ちて以て處る、是を位土と謂う。
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『管子』地員壏土の次は五剽と曰う。五剽の狀は、華然として芬の如くして以て脤す。其の種は大秬・細秬、黒莖青秀なり。果木を蓄殖するに、三土に若かざること十分の四を以てす。剽土の次は五沙と曰う。五沙の狀は、粟焉として屑塵の厲なるが如し。其の種は大萯・細萯、白莖青秀にして、以て蔓う。果木を蓄殖するに、三土に如かざること十分の四を以てす。沙土の次は五塥と曰う。五塥の狀は、累然として僕累の如く、水旱に忍びず。其の種は大樛杞・細樛杞、黒莖黒秀なり。果木を蓄殖するに、三土に若かざること十分の四を以てす。凡そ中土は三十物、種は十二物なり。
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『管子』地員下土を五猶と曰う。五猶の狀は糞の如し。其の種は大華・細華、白莖黒秀なり。果木を蓄殖するに、三土に如かざること十分の五を以てす。猶土の次は五𢎞と曰う。五𢎞の狀は䑕肝の如し。其の種は青梁、黒莖黒秀なり。果木を蓄殖するに、三土に如かざること十分の五を以てす。𢎞土の次は五殖と曰う。五殖の狀は、甚だ澤にして以て疏、離坼して以て臞塉なり。其の種は鴈膳の黒實、朱跗の黄實なり。果木を蓄殖するに、三土に如かざること十分の六を以てす。五殖の次は五觳と曰う。五觳の狀は、婁婁然として、水旱に忍びず。其の種は大菽・細菽、白實多し。果木を蓄殖するに、三土に如かざること十分の六を以てす。
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『管子』地員位土の次は五蘟と曰う。五蘟の狀は、黒土黒菭、青怵として以て肥え、芬然として灰の若し。其の種は櫑葛、赨莖黄秀。恚目、其の葉は苑の若し。以て果木を蓄殖するに、三土に若かざること十分の二を以てす、是を蘟土と謂う。蘟土の次は五壤と曰う。五壤の狀は、芬然として澤の若く屯土の若し。其の種は大水腸・細水腸、赨莖黄秀、以て慈忍たり、水旱に宜しからざる無きなり。果木を蓄殖するに、三土に若かざること十分の二を以てす、是を壤土と謂う。