格言聯璧 / 從政類・萬民の血汗を一人消受す
住世一日,要做一日好人。 為官一日,要行一日好事。 貧賤人櫛風沐雨,萬苦千辛;自家血汗自家消受,天之鑒察猶恕。 富貴人衣稅食租,擔爵受祿;萬民血汗一人消受,天之督責更嚴。
新字:住世一日,要做一日好人。 為官一日,要行一日好事。 貧賤人櫛風沐雨,万苦千辛;自家血汗自家消受,天之鑒察猶恕。 富貴人衣税食租,担爵受禄;万民血汗一人消受,天之督責更厳。
書き下し
世に住むこと一日なれば、一日の好人と做るを要す。 官と為ること一日なれば、一日の好事を行ふを要す。 貧賤の人は風に櫛り雨に沐し、萬苦千辛す。自家の血汗は自家消受す、天の鑒察も猶ほ恕す。 富貴の人は稅を衣て租を食み、爵を擔ひて祿を受く。萬民の血汗を一人消受す、天の督責は更に嚴なり。
現代語訳
この世に一日生きているなら、その一日はよい人であらねばなりません。 役人である日が一日でもあるなら、その一日はよい事を行わなければなりません。 貧しく身分の低い人は、風に髪をすかれ雨に身を洗われるような苦労をし、あらゆる辛酸をなめます。自分の血と汗は自分で受け取るのですから、天の目もまだ大目に見てくれます。 富貴の人は、税で衣服をまとい租で食べ、爵位を担い俸禄を受けています。万民の血と汗を一人で受け取っているのですから、天の問う責任はさらに厳しいのです。
解説
前半の対句は、一日一日を単位に善を積めと説く平易な句です。後半は、貧賤の人と富貴の人とで天の見方が違うと言います。櫛風沐雨は風で髪をとかし雨で体を洗うという意味で、外で苦労して働くことのたとえです。衣稅食租は、民の納めた税で着て食べることです。貧しい人は自分の血汗を自分で使うから天も寛大だが、富貴の人は万民の血汗を一身に受けているから天の責めはより厳しい、という論理です。前の単位の、富と地位は天からの預かり物だという考えを、さらに具体的に言い直したものといえます。人から多くを受け取る立場の人ほど、その分だけ厳しく自分を律すべきだという教えです。
この章句が説くこと
治政責任清廉修身民本
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