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十七条憲法 / 第十六条

導民以時、古之良典。故冬月有暇、以可使民。従春至秋、農桑之節、不可使民。其不農何食。不桑何服。

書き下し

民(たみ)を導(みちび)くには時(とき)を以(もっ)てするは、古(いにしえ)の良典(りょうてん)なり。故(ゆえ)に冬月(とうげつ)に暇(いとま)有らば、以(もっ)て民を使(つか)うべし。春より秋に至るまでは、農桑(のうそう)の節(せつ)なり、民を使うべからず。それ農(たつく)らずば何(なに)をか食(く)わん。桑(くわ)とらずば何(なに)をか服(き)ん。

現代語訳

人民を使役するには時期を選べというのは、古くからの良いしきたりである。農閑期である冬に余裕があるならば、民を使役してよい。しかし春から秋までは、農業や養蚕の忙しい時期であるから、民を使ってはならない。農業をしなければ何を食べるのか。養蚕をしなければ何を着るのか。

解説

第十六条は、民を使役するにも時期を選べと説きます。農閑期の冬なら人手を借りてよいが、田植えから収穫までの春から秋は民を働かせてはならない、なぜなら農業や養蚕を怠れば食べる物も着る物もなくなるからだ、という現実的な理由づけが印象的です。「民を使うに時をもってす」は、現代のマネジメントにおける最重要課題の一つに通じます。繁忙期や個人の事情を無視して業務を詰め込めば、従業員は疲弊し(バーンアウト)、生産性はかえって下がります。従業員の生活基盤(農桑=給与や私生活)を脅かさないよう配慮することは、いつの時代も経営者の責務なのです。

この章句が説くこと

ワークライフバランスリソースマネジメント健康経営持続可能性エンゲージメント

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