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十善法語 / 巻第六・不惡口戒

天竺ニハ迦維羅衛國釋種ノ婢女カ毗琉璃太子ヲ罵テ。婢子何ソ釋種ノ堂ニ上ルト云。此一言ニ因テ。堂堂タル王都一旦ニ亡テ。釋種ノ威勢カ此ヨリ微弱ニナツタシヤ。凡聖緣由ノ中ニハ。善生長者往昔緣覺ヲ惡口シテ。生生ノ處傭作ノ人トナリ。不信ノ醫師カ面タリ世尊ヲ罵テ。生身ニ惡趣ニ入ル。王舍城ノ婆羅門童女カ迦羅比丘ヲ謗テ。五百生瞎鳥ノ報ヲ招ク。此惡口。現世ヨリ來世ニ至マテ衆生ヲ惱亂スルシヤ。

新字:天竺ニハ迦維羅衛国釈種ノ婢女カ毗琉璃太子ヲ罵テ。婢子何ソ釈種ノ堂ニ上ルト云。此一言ニ因テ。堂堂タル王都一旦ニ亡テ。釈種ノ威勢カ此ヨリ微弱ニナツタシヤ。凡聖縁由ノ中ニハ。善生長者往昔縁覚ヲ悪口シテ。生生ノ処傭作ノ人トナリ。不信ノ医師カ面タリ世尊ヲ罵テ。生身ニ悪趣ニ入ル。王舎城ノ婆羅門童女カ迦羅比丘ヲ謗テ。五百生瞎鳥ノ報ヲ招ク。此悪口。現世ヨリ来世ニ至マテ衆生ヲ悩乱スルシヤ。

書き下し

天竺ニハ迦維羅衛国釈種ノ婢女カ毗琉璃太子ヲ罵テ。婢子何ソ釈種ノ堂ニ上ルト云。此一言ニ因テ。堂堂タル王都一旦ニ亡テ。釈種ノ威勢カ此ヨリ微弱ニナツタシヤ。凡聖縁由ノ中ニハ。善生長者往昔縁覚ヲ悪口シテ。生生ノ処傭作ノ人トナリ。不信ノ医師カ面タリ世尊ヲ罵テ。生身ニ悪趣ニ入ル。王舎城ノ婆羅門童女カ迦羅比丘ヲ謗テ。五百生瞎鳥ノ報ヲ招ク。此悪口。現世ヨリ来世ニ至マテ衆生ヲ悩乱スルシヤ。

現代語訳

インドでは、迦毘羅衛国の釈迦族の婢女が毘瑠璃太子を罵って、婢の子がどうして釈迦族の堂に上るのか、と言った。この一言によって、堂々たる王都が一朝にして滅び、釈迦族の威勢がこれから弱くなったのである。凡夫や聖者の因縁の中では、善生長者は昔、縁覚を悪口して、生まれるたびに雇われ人となった。信心のない医師が目の前で世尊を罵って、生きながら悪趣に入った。王舎城の婆羅門の童女が迦羅比丘を謗って、五百生の間、盲目の鳥の報いを招いた。この悪口は、現世から来世に至るまで衆生を悩まし乱すのである。

解説

インドの例として毘瑠璃太子の話を引く。コーサラ国の王子毘瑠璃は、母が釈迦族の婢の娘であったため、釈迦族の講堂で婢の子と罵られ、後に王となって釈迦族を攻め滅ぼしたと伝えられる。ほかにも縁覚を罵って代々雇われ人に生まれた者、仏を罵って生きながら悪趣に落ちた医師などの因縁が挙げられる。これらは慈雲が仏典の伝えとして示した因果の話である。出自を理由に人を辱めた一言が長い恨みとなって返ってくるという教訓は、今の社会にもそのまま当てはまる。

この章句が説くこと

悪口毘瑠璃釈迦族因果出自

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