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十善法語 / 巻第四・不妄語戒

法トシテ如是シヤニ由テ。言語ソノ正ヲ得レハ人道立シ。天道立チ優ニ聖域ニ入ル。言語其正ヲ失ヘハ法性ニソムキ天道人理ニ背キ。生生ノ處ニ人身ヲ失フシヤ。是ヲ容易ニ思者ハ愚ノ至リシヤ。邪正得失カ此言音ノ中ニ在テ明白歴然シヤ。善惡吉凶モ此言音ノ中ニ在テ毫釐ヲ差ヘヌシヤ。此德有情ノ言音ハカリテナク。非衆生樂器ノ聲韻モ其正ヲ得レハ此德有ル。其正ヲ失ヘハ其害有ルシヤ。內外典ノ中ニ其事實多キコトシヤ。

新字:法トシテ如是シヤニ由テ。言語ソノ正ヲ得レハ人道立シ。天道立チ優ニ聖域ニ入ル。言語其正ヲ失ヘハ法性ニソムキ天道人理ニ背キ。生生ノ処ニ人身ヲ失フシヤ。是ヲ容易ニ思者ハ愚ノ至リシヤ。邪正得失カ此言音ノ中ニ在テ明白歴然シヤ。善悪吉凶モ此言音ノ中ニ在テ毫釐ヲ差ヘヌシヤ。此徳有情ノ言音ハカリテナク。非衆生楽器ノ声韻モ其正ヲ得レハ此徳有ル。其正ヲ失ヘハ其害有ルシヤ。内外典ノ中ニ其事実多キコトシヤ。

書き下し

法トシテ如是シヤニ由テ。言語ソノ正ヲ得レハ人道立シ。天道立チ優ニ聖域ニ入ル。言語其正ヲ失ヘハ法性ニソムキ天道人理ニ背キ。生生ノ処ニ人身ヲ失フシヤ。是ヲ容易ニ思者ハ愚ノ至リシヤ。邪正得失カ此言音ノ中ニ在テ明白歴然シヤ。善悪吉凶モ此言音ノ中ニ在テ毫釐ヲ差ヘヌシヤ。此徳有情ノ言音ハカリテナク。非衆生楽器ノ声韻モ其正ヲ得レハ此徳有ル。其正ヲ失ヘハ其害有ルシヤ。内外典ノ中ニ其事実多キコトシヤ。

現代語訳

法としてこのようであるから、言葉がその正しさを得れば人の道が立ち、天の道が立って、ゆったりと聖者の境地に入る。言葉がその正しさを失えば、法性に背き、天の道と人の理に背いて、生まれ変わるどの生においても人の身を失うのである。これを容易に思う者は愚かの極みである。邪と正、得と失が、この言葉の響きの中に明白にありありと現れているのである。善悪吉凶も、この言葉の響きの中にあって寸分も違わないのである。この徳は心ある者の言葉だけでなく、衆生でない楽器の音色も、その正しさを得ればこの徳があり、その正しさを失えばその害があるのである。仏典にも仏典以外の書にも、その事実は多いのである。

解説

言葉が正しければ人の道も天の道も立ち、正しさを失えば法性に背いて人の身さえ失うと、言葉の重さを強調する段である。善悪吉凶はすべて言葉の響きの中に寸分違わず現れており、それは人の言葉だけでなく楽器の音にも言えるという。人の身を失うとは、来世に人として生まれられないという仏教の輪廻観に立った説き方である。何気ない一言に自分の邪正や得失がそのまま表れてしまう、という指摘は、会議での発言やメールの一文を見直すときの戒めとして今も生きている。

この章句が説くこと

言語人道天道吉凶

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