十善法語 / 巻第一・不殺生戒
此惡業未タミテヌ間ハ。三寶ノ名字ヲモ聞ス。父母師長ノ名字ヲモキカス。一切ノ義理ヲ辨セス。此身心タタ極大苦ト相應シテ。少分ノ意ニ適フコトモナキト云コトシヤ。長時ニ此苦ヲ受已テ。後若人中ニ還リ生スルモ。其殺生ノ餘業カ身心ニソヒ來テ。或ハ母胎ノ中ニ死シ。或ハ出生シテ死シ。或ハ少年ニテ死スル。此ヲ經中ニ一ニハ短命ト云。此殺害ノ業ハ他ノ身心ヲ苦ムル故。ソノ餘業カ自ノ身心ニソヒ來テ。生生ノ處ニ惱ミ苦ム。此ヲ經中ニ二ニハ多病ト云。
新字:此悪業未タミテヌ間ハ。三宝ノ名字ヲモ聞ス。父母師長ノ名字ヲモキカス。一切ノ義理ヲ弁セス。此身心タタ極大苦ト相応シテ。少分ノ意ニ適フコトモナキト云コトシヤ。長時ニ此苦ヲ受已テ。後若人中ニ還リ生スルモ。其殺生ノ余業カ身心ニソヒ来テ。或ハ母胎ノ中ニ死シ。或ハ出生シテ死シ。或ハ少年ニテ死スル。此ヲ経中ニ一ニハ短命ト云。此殺害ノ業ハ他ノ身心ヲ苦ムル故。ソノ余業カ自ノ身心ニソヒ来テ。生生ノ処ニ悩ミ苦ム。此ヲ経中ニ二ニハ多病ト云。
書き下し
此悪業未タミテヌ間ハ。三宝ノ名字ヲモ聞ス。父母師長ノ名字ヲモキカス。一切ノ義理ヲ弁セス。此身心タタ極大苦ト相応シテ。少分ノ意ニ適フコトモナキト云コトシヤ。長時ニ此苦ヲ受已テ。後若人中ニ還リ生スルモ。其殺生ノ余業カ身心ニソヒ来テ。或ハ母胎ノ中ニ死シ。或ハ出生シテ死シ。或ハ少年ニテ死スル。此ヲ経中ニ一ニハ短命ト云。此殺害ノ業ハ他ノ身心ヲ苦ムル故。ソノ余業カ自ノ身心ニソヒ来テ。生生ノ処ニ悩ミ苦ム。此ヲ経中ニ二ニハ多病ト云。
現代語訳
この悪業がまだ満ち尽きないうちは、仏・法・僧の三宝の名さえ聞かず、父母や師匠・長上の名さえ聞かず、一切の義理をわきまえず、この身心はただ極めて大きな苦しみと相応して、わずかでも心にかなうことがないということである。長い時にわたってこの苦しみを受け終えて、後にもし人の中に還って生まれても、その殺生の残りの業が身心に寄り添って来て、あるいは母の胎の中で死に、あるいは生まれ出て死に、あるいは少年で死ぬ。これを経の中に、一つには短命と言う。この殺害の業は他の身心を苦しめるので、その残りの業が自分の身心に寄り添って来て、生まれ変わる所ごとに悩み苦しむ。これを経の中に、二つには多病と言う。
解説
この章句が説くこと
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説苑・說叢夫れ水は山に出でて海に入り、稼は田に生じて廩に藏す。聖人は生ずる所を見れば則ち歸する所を知る。
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