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言志四録 / 南洲手抄

提一燈、行暗夜。勿憂暗夜、只頼一燈。

新字:提一灯、行暗夜。勿憂暗夜、只頼一灯。

書き下し

一灯を提げて、暗夜を行く。暗夜を憂ふる勿れ、只だ一灯を頼め。

現代語訳

一つの灯りをさげて、暗い夜道を行く。暗さを憂えるな、ただその一灯だけを頼りにせよ。

解説

言志四録の中でも最も広く愛される一条です。先の見えない暗夜を、人生の困難や不安になぞらえています。闇の広さを嘆いても足は前に出ません。大切なのは、手元を照らす一つの灯り——自分の信じる道や、いま踏み出せる一歩——を信じて進むことだと一斎は説きます。伏見の戦いで岩倉具視に勝敗を問われた西郷が「西郷隆盛在り、憂ふる勿れ」と答えた逸話も、この心境に重なります。不確実な時代を手探りで歩む私たちに、確かな指針を与えてくれる言葉です。

この章句が説くこと

一灯不安信念一歩

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