言志四録 / 南洲手抄
臨時之信、累功於平日。平日之信、收効於臨時。
新字:臨時之信、累功於平日。平日之信、収効於臨時。
書き下し
臨時の信は、功を平日に累ぬればなり。平日の信は、効を臨時に収むべし。
現代語訳
いざという時に得られる信頼は、平生の積み重ねが功を成したものである。平生に築いた信頼は、いざという時にその効果を発揮する。
解説
前条の「信」を、時間軸でとらえた一条です。危機や勝負どころ(臨時)で人から信じてもらえるのは、その一瞬の力ではなく、平生の地道な積み重ねが実を結んだから。逆に言えば、平生こつこつ築いた信頼は、いざという時にこそ効いてきます。信用は一朝一夕には作れず、また急には引き出せない——日々の小さな誠実の預金があってこそ、勝負どころで引き出せるのです。緊急時の対応力ばかりが注目されがちですが、それを支えるのは平時の積み立てだと教える、リーダーにとって要諦の一条です。
この章句が説くこと
信頼平生の積み重ね信用継続
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