顔氏家訓 / 名實
名之與實、猶形之與影也。德藝周厚、則名必善焉、容色姝麗、則影必美焉。今不修身而求令名於世者、猶貌甚惡而責妍影於鏡也。上士忘名、中士立名、下士竊名。忘名者、體道合德、享鬼神之福佑、非所以求名也、立名者、修身慎行、懼榮觀之不顯、非所以讓名也、竊名者、厚貌深奸、干浮華之虛構、非所以得名也。
新字:名之与実、猶形之与影也。徳芸周厚、則名必善焉、容色姝麗、則影必美焉。今不修身而求令名於世者、猶貌甚悪而責妍影於鏡也。上士忘名、中士立名、下士窃名。忘名者、体道合徳、享鬼神之福佑、非所以求名也、立名者、修身慎行、懼栄観之不顕、非所以譲名也、窃名者、厚貌深奸、干浮華之虚構、非所以得名也。
書き下し
名の実におけるは、猶お形の影におけるがごときなり。徳芸周厚なれば、則ち名必ず善し。容色姝麗なれば、則ち影必ず美なり。今身を修めずして令名を世に求むる者は、猶お貌甚だ悪くして妍影を鏡に責むるがごときなり。上士は名を忘れ、中士は名を立て、下士は名を窃む。名を忘るる者は、道を体し徳に合し、鬼神の福佑を享く。名を求むる所以に非ざるなり。名を立つる者は、身を修め行いを慎み、栄観の顕れざるを懼る。名を譲る所以に非ざるなり。名を窃む者は、貌を厚くし奸を深くし、浮華の虚構を干む。名を得る所以に非ざるなり。
現代語訳
名声と実質の関係は、形と影の関係のようなものである。徳と技芸が行き届いて厚ければ、名声は必ずよくなる。容姿が美しければ、影も必ず美しい。今、身を修めもせずに世間の名声だけを求める者は、顔かたちがひどく醜いのに鏡に美しい影を映せと要求するようなものである。上等の人は名を忘れ、中等の人は名を立て、下等の人は名を盗む。名を忘れる者は、道を体現し徳にかない、鬼神の加護を受ける。名を求めるためにそうしているのではない。名を立てる者は、身を修め行いを慎み、輝かしい評判が現れないことを恐れる。名を譲るためにそうしているのではない。名を盗む者は、うわべを飾り悪だくみを深くし、浮ついた見せかけを求める。名を得るためにそうしているのではない。
解説
この章句が説くこと
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