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塩鉄論 / 授時篇

大夫曰:「縣官之於百姓、若慈父之於子也:忠焉能勿誨乎?愛之而勿勞乎?故春親耕以勸農、賑貸以贍不足、通滀水、出輕系、使民務時也。蒙恩被澤、而至今猶以貧困、其難與適道若是夫!」

新字:大夫曰:「県官之於百姓、若慈父之於子也:忠焉能勿誨乎?愛之而勿労乎?故春親耕以勧農、賑貸以贍不足、通滀水、出軽系、使民務時也。蒙恩被沢、而至今猶以貧困、其難与適道若是夫!」

書き下し

大夫曰く、縣官の百姓に於けるは、慈父の子に於けるがごときなり。忠あらば焉んぞ能く誨うる勿からんや。之を愛して勞せしむる勿からんや。故に春に親ら耕して以て農を勸め、賑貸して以て不足を贍し、滀水を通じ、輕系を出だし、民をして時に務めしむるなり。恩を蒙り澤を被りて、而も今に至るまで猶お貧困を以てす、其の與に道に適き難きこと是くの若きかな。

現代語訳

大夫が言った。「官が民に対するのは、慈しみ深い父が子に対するようなものだ。忠実であるなら、どうして教えずにいられよう。愛しているなら、どうして働かせずにいられよう。だから春には天子みずから耕して農を勧め、貸し付けをして足りない分を補い、滞った水を通し、軽い罪の者を釈放して、民が季節の仕事に励めるようにしている。それだけの恩恵を受けておきながら、いまなお貧しいままだ。ともに道へ向かうことが、これほど難しいのか」

解説

「条件を変えよ」に対して、すでに変えていると施策を並べた段です。天子みずからの耕作、貸し付け、水路の疏通、軽罪の釈放。手は尽くしている。それでもなお貧しいなら、民の側の問題だ。論語の「愛するなら労させずにいられようか」を引くのが巧みで、働かせることを愛情の証しに読み替えています。打った手を列挙して締めくくるのは、この討論で大夫がくり返す型です。

この章句が説くこと

県官の百姓に於けるは慈父の子に於けるがごときなり恩を蒙り沢を被りて而も今に至るまで猶お貧困を以てす之を愛して労せしむる勿からんや施策効果恩恵

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