淮南子 / 脩務訓
湯夙興夜寐,以致聰明,輕賦薄斂,以寬民氓,布德施惠,以振困窮,吊死問疾,以養孤孀。百姓親附,政令流行,乃整兵鳴條,困夏南巢,譙以其過,放之曆山。此五聖者,天下之盛主,勞形盡慮,為民興利除害而不懈。奉一爵酒不知於色,挈一石之尊則白汗交流,又況贏天下之憂,而海內事者乎?其重於尊亦遠也!
新字:湯夙興夜寐,以致聰明,軽賦薄斂,以寛民氓,布徳施恵,以振困窮,吊死問疾,以養孤孀。百姓親附,政令流行,乃整兵鳴条,困夏南巣,譙以其過,放之暦山。此五聖者,天下之盛主,労形尽慮,為民興利除害而不懈。奉一爵酒不知於色,挈一石之尊則白汗交流,又況贏天下之憂,而海内事者乎?其重於尊亦遠也!
書き下し
湯 夙に興き夜に寐ね、以て聰明を致し、賦を輕くし斂を薄くし、以て民氓を寬にし、德を布き惠を施し、以て困窮を振い、死を吊い疾を問い、以て孤孀を養う。百姓 親附し、政令 流行す。乃ち兵を鳴條に整え、夏を南巢に困しめ、譙むるに其の過ちを以てし、之を曆山に放つ。此の五聖なる者は、天下の盛主なり。形を勞し慮りを盡くし、民の爲に利を興し害を除きて懈らず。一爵の酒を奉ずるは色に知られざるも、一石の尊を挈ぐれば則ち白汗 交々流る。又た況んや天下の憂いを贏い、海內を事とする者をや。其の尊よりも重きこと亦た遠きなり。
現代語訳
湯王は早く起き夜に寝て、聡明さを尽くし、税を軽くし取り立てを薄くして民を楽にし、徳を広め恵みを施して困窮を救い、死者を弔い病者を見舞って、孤児と寡婦を養った。民は親しみ従い、政令は行き渡った。そのうえで鳴条に兵を整え、夏の桀を南巣に追い詰め、その過ちを責めて、歴山に流した。この五人の聖人は、天下の優れた主である。身を労し思慮を尽くし、民のために利を興し害を除いて怠らなかった。杯一つの酒を捧げるのは顔色にも出ないが、一石の甕を提げれば白い汗が流れ落ちる。まして天下の憂いを背負い、天下を仕事にする者ならなおさらである。その重さは、甕どころではない。
解説
「一爵の酒を奉ずるは色に知られざるも、一石の尊を挈ぐれば則ち白汗 交々流る」。重さが変われば、同じ人でも汗が出る。位が上がるとは、そういうことだと言っています。湯王の一日も具体的です。早起きし、税を軽くし、弔い、見舞い、孤児と寡婦を養う。そこまでして民が従ってから、はじめて兵を整えた。順序が逆でないところが読みどころです。
この章句が説くこと
湯夙に興き夜に寐ね賦を軽くし斂を薄くし以て民氓を寛にす死を吊い疾を問い以て孤孀を養う百姓親附し政令流行す此の五聖なる者は形を労し慮りを尽くし民の為に利を興し害を除きて懈らず一爵の酒を奉ずるは色に知られざるも一石の尊を挈ぐれば則ち白汗交々流る又た況んや天下の憂いを贏い海内を事とする者をや重さ
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