牧民忠告 / 宣化
諸民有旌表及學行異眾者,時加存慰,為勸必多。
新字:諸民有旌表及学行異眾者,時加存慰,為勧必多。
書き下し
諸民に旌表(せいひょう)及び學行眾に異なる者有らば、時に存慰(そんい)を加えれば、勸を為すこと必ず多からん。
現代語訳
民の中で表彰に値する者、あるいは学問や行いが人並み外れて優れた者があれば、時にこれをねぎらい励ませば、人々を奮い立たせる効果はきっと大きいだろう。
解説
「示勸」は、善行や優れた学問・行いを持つ者を積極的に慰労し表彰することの効果を説く短い一条である。張養浩は、罰による抑止だけでなく、模範となる人物を可視化し称えることが、地域全体の風紀を高める力を持つと考えている。人は罰よりも称賛によって動かされる側面が大きく、模範を示すことは間接的に多くの人を導く。現代の組織運営においても、優れた成果や行動を上げた人物を積極的に評価し公にすることは、本人のみならず周囲への波及効果を持つ。管理職は問題の是正だけでなく、良い模範を見つけて称える機会を意識的に作る必要がある。
この章句が説くこと
示勧表彰模範動機づけ
関連する章句
-
論語 郷党篇車に升るには、必ず正しく立ちて綏を執る。車中にては、内顧せず、疾言せず、親指せず。
-
孟子・離婁章句上孟子曰く、「規矩は方員の至りなり。聖人は人倫の至りなり。君為らんと欲せば君の道を盡くし、臣為らんと欲せば臣の道を盡くす。二者皆堯舜に法るのみ。舜の堯に事うる所以を以て君に事えざるは、其の君を敬せざる者なり。堯の民を治むる所以を以て民を治めざるは、其の民を賊する者なり。孔子曰く、『道は二つ、仁と不仁とのみ。』其の民を暴すること甚だしければ、則ち身弒せられ國亡ぶ。甚だしからざれば、則ち身危うく國削らる。之を名づけて幽厲と曰う。孝子慈孫と雖も、百世改むること能わざるなり。詩に云う、『殷鑒遠からず、夏后の世に在り。』此を之れ謂うなり。」
-
論語 為政篇季康子問使民敬忠以勸。如之何。子曰、臨之以荘、則敬。孝慈、則忠。挙善而教不能、則勸。
-
論語 季氏篇孔子曰わく、政は正なり。子、以て正を帥いずれば、孰か敢えて正しからざらん。
-
孟子・離婁章句上孟子曰く、「人は與に適むるに足らざるなり。政は間するに足らざるなり。惟だ大人のみ能く君の心の非を格すことを為す。君、仁なれば仁ならざること莫く、君、義なれば義ならざること莫く、君、正しければ正しからざること莫し。一たび君を正しくすれば、國定まる。」
-
論語 郷党篇疾病には衣を正し、冠を佩び、礼を忘れず。