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顔氏家訓 / 文章

齊世有席毗者、清幹之士、官至行臺尚書、嗤鄙文學、嘲劉逖云:「君輩辭藻、譬若榮華、須臾之翫、非宏才也、豈比吾徒千丈松樹、常有風霜、不可凋悴矣!」劉應之曰:「既有寒木、又發春華、何如也?」席笑曰:「可哉!」

新字:斉世有席毗者、清幹之士、官至行台尚書、嗤鄙文学、嘲劉逖云:「君輩辞藻、譬若栄華、須臾之翫、非宏才也、豈比吾徒千丈松樹、常有風霜、不可凋悴矣!」劉応之曰:「既有寒木、又発春華、何如也?」席笑曰:「可哉!」

書き下し

斉世に席毗なる者有り、清幹の士なり。官は行台尚書に至る。文学を嗤鄙し、劉逖を嘲りて云う、「君輩の辞藻は、譬えば栄華の若し。須臾の翫にして、宏才に非ず。豈に吾が徒の千丈の松樹の、常に風霜有りて、凋悴すべからざるに比せんや」と。劉之に応えて曰く、「既に寒木有り、又た春華を発せば、何如」と。席笑いて曰く、「可なるかな」と。

現代語訳

北斉の時代に席毗という者がいた。清廉で実務に優れた士で、官位は行台尚書に至った。文学を嘲り軽んじて、劉逖をからかって言った。「君たちの美文は、たとえるなら咲き誇る花のようなものだ。ほんの一時の慰みであって、大きな才ではない。どうして我々のような、千丈の松の木が、いつも風霜にさらされながらも枯れしぼまないのと比べられようか」。劉はそれに応えて言った。「寒さに耐える木でありながら、そのうえ春の花も咲かせるなら、いかがですか」。席は笑って言った。「それならよろしい」。

解説

実務家が文学を嘲り、文人が一言で切り返した場面です。席毗の言い分は「花は一時、松は不変」。それに対して劉逖は「では、寒さに耐える木で、しかも花を咲かせるなら」と返しました。二者択一の枠組みそのものを外した答えです。しかも相手を否定していないので、席毗は笑って認めた。対立する価値観を突きつけられたとき、どちらかを選ぶか、両立させる第三の像を出すか。劉逖の返しは、相手の比喩をそのまま使って、その中に自分の立場を置きました。反論の技術として学べます。相手の土俵を降りずに、そこに一つ足す。

この章句が説くこと

席毗千丈の松樹既に寒木有り又た春華を発す二者択一を外す逆境

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