淮南子 / 天文訓
以勝擊殺,勝而無報。以專從事,專而有功。以義行理,名立而不墯。以保畜養,万物蕃昌。以困舉事,破滅死亡。北斗之神有雌雄,十一月始建於子,月從一辰,雄左行,雌右行,五月合午謀刑,十一月合子謀德。太陰所居辰爲猒日,猒日不可以舉百事。堪輿徐行,雄以音知雌,故爲奇辰。數從甲子始,子母相求,所合之處爲合。十日十二辰,周六十日,凡八合。合於歲前則死亡,合於歲後則無殃。
新字:以勝擊殺,勝而無報。以専従事,専而有功。以義行理,名立而不墯。以保畜養,万物蕃昌。以困舉事,破滅死亡。北斗之神有雌雄,十一月始建於子,月従一辰,雄左行,雌右行,五月合午謀刑,十一月合子謀徳。太陰所居辰為猒日,猒日不可以舉百事。堪輿徐行,雄以音知雌,故為奇辰。数従甲子始,子母相求,所合之処為合。十日十二辰,周六十日,凡八合。合於歳前則死亡,合於歳後則無殃。
書き下し
勝を以て擊殺すれば、勝ちて報無し。專を以て事に從えば、專にして功有り。義を以て理を行えば、名立ちて墯ちず。保を以て畜養すれば、萬物蕃昌す。困を以て事を舉ぐれば、破滅死亡す。北斗の神に雌雄有り、十一月始めて子に建ち、月ごとに一辰に從い、雄は左行し、雌は右行す。五月午に合して刑を謀り、十一月子に合して德を謀る。太陰の居る所の辰を猒日と爲す。猒日は以て百事を舉ぐ可からず。堪輿徐ろに行き、雄は音を以て雌を知る。故に奇辰と爲す。數は甲子より始まり、子母相い求め、合する所の處を合と爲す。十日十二辰、六十日を周り、凡そ八合あり。歲前に合すれば則ち死亡し、歲後に合すれば則ち殃無し。
現代語訳
勝によって撃ち殺せば、勝って報いを受けない。専によって事に従えば、もっぱらにして功がある。義によって道理を行えば、名が立って落ちない。保によって養えば、万物が増え栄える。困によって事を起こせば、破れ滅んで死に至る。北斗の神には雌雄があり、十一月にはじめて子に立ち、月ごとに一辰ずつ従い、雄は左回り、雌は右回りに行く。五月に午で合わさって刑を謀り、十一月に子で合わさって徳を謀る。太陰のいる辰を厭日とする。厭日にはあらゆる事を起こしてはならない。堪輿はゆっくり行き、雄は音によって雌を知る。だから奇辰とする。数は甲子から始まり、子と母が互いに求め、合わさるところを合とする。十の日と十二の辰で、六十日を巡り、合わせて八つの合がある。年の前に合わされば死亡し、年の後に合わされば災いがない。
解説
この章句が説くこと
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『淮南子』天文訓凡そ太陰を用うるには、左に刑を前にし、右に德を背にし、鉤陳の衝辰を擊つ。以て戰えば必ず勝ち、以て攻むれば必ず剋つ。天道を知らんと欲せば、日を以て主と爲し、六月心に當たり、左に周りて行き、分かちて十二月と爲し、日と相い當たる。天地重襲すれば、後に必ず殃無し。星は正月に營室に建ち、二月に奎・婁に建ち、三月に胃に建ち、四月に畢に建ち、五月に東井に建ち、六月に張に建ち、七月に翼に建ち、八月に亢に建ち、九月に房に建ち、十月に尾に建ち、十一月に牽牛に建ち、十二月に虚に建つ。星の分度は、角十二、亢九、氐十五、房五、心五、尾十八、箕十一と四分の一、斗二十六、牽牛八、須女十二、虚十、危十七、營室十六、東壁九、奎十六、婁十二、胃十四、昴十一、畢十六、觜雟二、參九、東井三十、輿鬼四、柳十五、星七、張・翼各ミ十八、軫十七。凡そ二十八宿なり。
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『淮南子』天文訓甲戌は、燕なり。乙酉は、齊なり。丙午は、越なり。丁巳は、楚なり。庚申は、秦なり。辛卯は、戎なり。壬子は、代なり。癸亥は、胡なり。戊戌・己亥は、韓なり。己酉・己卯は、魏なり。戊午・戊子は、八たび天下に合するなり。太陰・小歲・星・日・辰の五神皆な合し、其の日に雲氣風雨有らば、國君之に當たる。天神の貴き者は、青龍より貴きは莫し。或いは天一と曰い、或いは太陰と曰う。太陰の居る所は、背く可からずして鄉かう可し。北斗の擊つ所は、與に敵す可からず。
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『淮南子』天文訓太陰の元始は、甲寅に建つ。一終して甲戌に建ち、二終して甲午に建ち、三終して復た甲寅の元を得。歲ごとに一辰を徙る。立春の後、其の辰を得て其の順ずる所に遷る。前三後五にして、百事舉ぐ可し。太陰の建つ所は、蟄蟲穴に首して處り、鵲は巢を鄉けて戶と爲す。太陰寅に在れば、朱烏は卯に在り、勾陳は子に在り、玄武は戌に在り、白虎は酉に在り、蒼龍は辰に在り。寅を建と爲し、卯を除と爲し、辰を滿と爲し、巳を平と爲し、生を主る。午を定と爲し、未を執と爲し、陷を主る。申を破と爲し、衡を主る。酉を危と爲し、杓を主る。
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『淮南子』天文訓夏日至れば則ち陰陽に乘ず。是を以て萬物就きて死す。冬日至れば則ち陽陰に乘ず。是を以て萬物仰ぎて生ず。晝なる者は陽の分、夜なる者は陰の分なり。是を以て陽氣勝てば則ち日修くして夜短く、陰氣勝てば則ち日短くして夜修し。帝四維を張り、之を運らすに斗を以てす。月ごとに一辰を徙り、復た其の所に反る。正月は寅を指し、十二月は丑を指し、一歲にして匝り、終わりて復た始まる。寅を指せば、則ち萬物螾螾たるなり、律は太蔟を受く。太蔟なる者は、蔟りて未だ出でざるなり。卯を指せば、卯は則ち茂茂然たり、律は夾鐘を受く。夾鐘なる者は、種始めて莢するなり。辰を指せば、辰は則ち之を振るうなり、律は姑洗を受く。姑洗なる者は、陳きもの去りて新しきもの來たるなり。巳を指せば、巳は則ち生已に定まるなり、律は仲呂を受く。仲呂なる者は、中充ちて大なるなり。午を指せば、午なる者は、忤なり、律は蕤賓を受く。蕤賓なる者は、安んじて服するなり。未を指せば、未は、昧なり、律は林鐘を受く。林鐘なる者は、引きて止むるなり。申を指せば、申なる者は、之を呻くなり、律は夷則を受く。夷則なる者は、其の則を易うるなり、德以て去るなり。酉を指せば、酉なる者は、飽なり、律は南呂を受く。南呂なる者は、任じて大を包むなり。戌を指せば、戌なる者は、滅なり、律は無射を受く。無射は、入りて厭く無きなり。亥を指せば、亥なる者は、閡なり、律は應鐘を受く。應鐘なる者は、其の鐘に應ずるなり。子を指せば、子なる者は、茲なり、律は黃鐘を受く。黃鐘なる者は、鐘已に黃なるなり。丑を指せば、丑なる者は、紐なり、律は大呂を受く。大呂なる者は、旅旅として去るなり。其の卯酉に加うれば、則ち陰陽分かれ、日夜平らかなり。故に曰く、規は生じ矩は殺し、衡は長じ權は藏し、繩は中央に居りて、四時の根と為る、と。
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『淮南子』天文訓斗杓を小歲と為し、正月寅に建ち、月ごとに左に從いて十二辰を行く。咸池を太歲と為し、二月卯に建ち、月ごとに右に從いて四仲を行き、終わりて復た始まる。太歲は迎うる者は辱められ、背く者は強く、左する者は衰え、右する者は昌んなり。小歲は東南すれば則ち生じ、西北すれば則ち殺す。迎う可からずして背く可きなり、左す可からずして右す可きなり。其れ此の謂いなり。大時なる者は、咸池なり。小時なる者は、月建なり。天維元を建つるは、常に寅を以て始起し、右に徙りて一歲にして移り、十二歲にして大いに天を周り、終わりて復た始まる。淮南元年の冬、太一は丙子に在り、冬至は甲午、立春は丙子なり。二陰一陽は氣二を成し、二陽一陰は氣三を成す。氣を合わせて音と為し、陰を合わせて陽と為し、陽を合わせて律と為す。故に五音六律と曰う。音は自ら倍して日と為り、律は自ら倍して辰と為る。故に日は十にして辰は十二なり。月は日に十三度と七十六分度の二十六を行き、二十九日と九百四十分日の四百九十九にして月と為し、十二月を以て歲と為す。歲に餘り十日と九百四十分日の八百二十七有り。故に十九歲にして七たび閏す。日は冬至に子午、夏至に卯酉。冬至に三日を加うれば、則ち夏至の日なり。歲ごとに六日を遷し、終わりて復た始まる。
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『淮南子』天文訓凡そ日は、甲は剛、乙は柔、丙は剛、丁は柔、以て癸に至る。木は亥に生じ、卯に壯んに、未に死す。三辰皆な木なり。火は寅に生じ、午に壯んに、戌に死す。三辰皆な火なり。土は午に生じ、戌に壯んに、寅に死す。三辰皆な土なり。金は巳に生じ、酉に壯んに、丑に死す。三辰皆な金なり。水は申に生じ、子に壯んに、辰に死す。三辰皆な水なり。故に五は一を生ずるに勝ち、五に壯んに、九に終わる。五九四十五、故に神は四十五日にして一たび徙る。三を以て五に應ず。故に八たび徙りて歲終わる。