孫子 / 地形篇
故兵有走者、有弛者、有陷者、有崩者、有亂者、有北者。凡此六者,非天之災,將之過也。
新字:故兵有走者、有弛者、有陥者、有崩者、有乱者、有北者。凡此六者,非天之災,将之過也。
書き下し
故に兵には走る者、弛む者、陥る者、崩るる者、乱るる者、北ぐる者あり。凡そ此の六者は、天の災いに非ず、将の過ちなり。
現代語訳
軍が負ける型にも六つある——走(潰走)・弛(ゆるみ)・陥(落ち込み)・崩(崩壊)・乱(混乱)・北(敗走)である。これら六つはいずれも、天が下した災いではなく、将軍の過ちによるものだ。
解説
地形の話に続いて、孫子は「軍が自滅する六つの型」を挙げます。ここで最も重いのは、次の一言です——これらは天災ではなく、すべて将軍の責任だ、と。負けを運や環境のせいにすることを、孫子はきっぱり否定します。敗因は指揮する側の中にある、だからこそ防げる、というのです。組織の失敗も同じで、「市場が悪い」「運が悪い」で片づけた瞬間、学びも改善も止まります。うまくいかない原因を自分たちの判断や体制の中に探す姿勢があってはじめて、次の手が打てる。責任を引き受けることは、実は最も前向きな態度なのだと、この一節は教えます。
この章句が説くこと
停滞不可六敗機会損失将の責任敗因自責
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