呂氏春秋 / 季秋⑦
是月也,天子乃以犬嘗稻,先薦寢廟。
新字:是月也,天子乃以犬嘗稻,先薦寝廟。
書き下し
是の月や、天子乃ち犬を以て稻を嘗め、先づ寢廟に薦む。
現代語訳
この月には、天子は犬の肉を添えて新米を味わい、まずそれを祖先を祭る寝廟に供える。
解説
新穀を祖先に捧げる季秋の祭祀(嘗の礼)です。要点は、天子が収穫した新米を、自分が口にする前にまず祖先の廟に供えるという敬いの作法です。背景として、古代中国では新しい収穫物をまず神や祖先に献じてから人が食べる「薦新」の習俗があり、天への感謝と祖先崇拝が結びついていました。犬の肉を添えるのは季秋にふさわしい供物とされたためです。現代でも、収穫や成果をまず支えてくれた存在に感謝してから享受するという心のあり方は、感謝や謙虚さを重んじる文化に通じます。
この章句が説くこと
嘗稲寝廟薦新祖先祭祀新穀感謝