呂氏春秋 / 孟夏⑤
是月也,驅獸無害五穀。無大田獵。農乃收麥。升獻。天子乃以彘嘗麥,先薦寢廟。
新字:是月也,駆獣無害五穀。無大田猟。農乃収麦。升献。天子乃以彘嘗麦,先薦寝廟。
書き下し
是の月や、獸を驅りて五穀を害うこと無からしめ、大いに田獵すること無からしむ。農乃ち麥を升ずれば、天子乃ち彘を以て麥を嘗め、先づ寢廟に薦む。
現代語訳
この月には、獣を追い払って五穀を荒らさせないようにし、大がかりな狩猟をしてはならない。農民は麦を収穫する。初穂の麦を献上すると、天子は豚肉を添えて麦を味わい、まず祖先のみたまや(寝廟)に供える。
解説
この段は、初夏の麦の収穫と、その初穂を祖先に供える儀礼を述べます。田畑を荒らす獣を追い払い、大規模な狩猟は控え、収穫した麦の初穂をまず寝廟に供えてから天子が味わうことが要点です。背景には、収穫物をまず祖先や神に捧げてから人が口にするという「薦新」の礼があり、農事の成果を神と分かち合うことで感謝を表しました。狩猟を控えるのも、生長・収穫の季節に殺生を慎み農作物を守る配慮です。現代でも、収穫や成果をまず支えてくれた存在に感謝を捧げるという初物・初穂の習俗として各地に残り、成果を独り占めせず分かち合う心のあり方を伝えています。
この章句が説くこと
麦の収穫薦新寝廟祖先祭祀初穂狩猟の禁
関連する章句
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論語・学而篇曾子曰く、「終りを慎み遠きを追えば、民の徳厚きに帰す。」
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呂氏春秋・季秋⑦是の月や、天子乃ち犬を以て稻を嘗め、先づ寢廟に薦む。
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呂氏春秋・孟秋④是の月や、農乃ち穀を升む。天子、新を嘗め、先づ寢廟に薦む。百官に命じて、始めて収斂せしむ。隄防を全くし、壅塞を謹み、以て水潦に備え、宮室を修め、牆垣を坿い、城郭を補わしむ。
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呂氏春秋・仲夏③是の月や、天子、雛を以て黍を嘗め、羞むるに含桃を以てし、先づ寢廟に薦む。民をして藍を刈りて以て染むること無く、炭を燒くこと無く、布を暴すこと無からしむ。門閭は閉づること無く、關市は索むること無からしむ。重囚を挺め、其の食を益す。游牝は其の群を別ち、則ち騰駒を縶ぎ、馬正を班ぐ。
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