呂氏春秋 / 季春⑥
是月也,命工師,令百工,審五庫之量,金鐵、皮革筋、角齒、羽箭幹、脂膠丹漆,無或不良。百工咸理,監工日號,無悖於時;無或作為淫巧,以蕩上心。
新字:是月也,命工師,令百工,審五庫之量,金鉄、皮革筋、角齒、羽箭幹、脂膠丹漆,無或不良。百工咸理,監工日号,無悖於時;無或作為淫巧,以蕩上心。
書き下し
是の月や、工師に命じ、百工に令して、五庫の量を審らかにし、金鐵・皮革筋・角齒・羽箭幹・脂膠丹漆、良からざるもの或こと無からしむ。百工咸理むるや、工を監して日々號し、時に悖ること無からしむ。淫巧を作為して、以て上の心を蕩たらしむること或ること無からしむ。
現代語訳
この月、職人の長である工師に命じ、多くの職人たちに指示して、五つの倉庫の物量を検分させ、金属・鉄、皮革・筋、角・牙、羽・矢の柄、脂・膠・丹・漆といった材料に、粗悪なものが混じらないようにする。職人がみな作業に取りかかると、工師は現場を監督して毎日指示を出し、納期に遅れさせない。むやみに凝りすぎた無用の細工を作って、上に立つ者の心を惑わせ乱すことのないようにさせる。
解説
晩春に行う工業生産の品質・工程管理を述べています。工師が倉庫の材料を検分して粗悪品を排し、職人を日々監督して納期を守らせ、さらに「淫巧」すなわち過剰で無用な装飾細工を戒めて、為政者の心を乱さぬよう釘を刺します。品質・納期・実用性の三点を管理する、古代のものづくりの規範です。現代の品質管理や工程管理にも通じ、材料検査、進捗の日次管理、そして華美に流れて本質を見失わない実用重視の姿勢は、今日の製造業やプロジェクト運営にそのまま生きる教訓と言えます。
この章句が説くこと
工師百工五庫淫巧品質管理納期
関連する章句
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『韓非子』飾邪第十九昔者、舜、吏をして鴻水を決せしめしに、令に先だちて功有りて、舜之を殺す。禹、諸侯の君を會稽の上に朝し、防風の君後れて至りて、禹之を斬る。
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呂氏春秋・孟冬⑤是の月や、工師、功を效し、祭器を陳ね、度程を按じ、淫巧を作為して、以て上の心を蕩かす或ること無からしめ、必ず功致を上と為す。物は工名を勒し、其の誠を考え、工に當らざる有れば、必ず其の罪を行い、以て其の情を窮む。
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