荘子 / 列禦寇
窮有八極,達有三必,形有六府。美、髯、長、大、壯、麗、勇、敢,八者俱過人也,因以是窮。緣循、偃佒、困畏不若人,三者俱通達。知慧外通,勇動多怨,仁義多責。達生之情者傀,達於知者肖;達大命者隨,達小命者遭。
新字:窮有八極,達有三必,形有六府。美、髯、長、大、壮、麗、勇、敢,八者俱過人也,因以是窮。縁循、偃佒、困畏不若人,三者俱通達。知慧外通,勇動多怨,仁義多責。達生之情者傀,達於知者肖;達大命者随,達小命者遭。
書き下し
窮に八極有り、達に三必有り、形に六府有り。美・髯(ぜん)・長・大・壮・麗・勇・敢、八者は俱に人に過ぐるなり。因りて是を以て窮す。縁循(えんじゅん)・偃佒(えんおう)・困畏(こんい)にして人に若かざる、三者は俱に通達す。知慧は外に通じ、勇動は怨み多く、仁義は責め多し。生の情に達する者は傀(かい)なり、知に達する者は肖(しょう)なり。大命に達する者は随い、小命に達する者は遭う。
現代語訳
行き詰まりには八つの極みがあり、栄達には三つの必然があり、身には六つの蔵がある。美しさ、立派な髭、背の高さ、体の大きさ、屈強さ、麗しさ、勇気、大胆さ。この八つは、みな人より優れている。ところが、それゆえに行き詰まる。人に従い、身を低くし、人に及ばないと恐れる。この三つは、みな栄達に通じる。知恵は外に向かって働き、勇ましく動けば怨みが多く、仁義を掲げれば責められることが多い。生の実情に通じた者は大きく、知に通じた者は小さい。大いなる天命に通じた者はそれに従い、小さな運命に通じた者はそれに遭遇するだけだ。
解説
優れた八つの資質が、そのまま行き詰まりの原因になる。この逆説が中心の一段です。美しさ、体格、勇気、大胆さ。どれも人より優れています。だからこそ、行き詰まる。優れていることが、目立ち、妬まれ、使われ、消耗させるのです。一方、人に従い、身を低くし、及ばないと恐れる者が、栄達する。持っていることが不利になり、持たないことが有利になる。この逆転が、繰り返し語られます。