荘子 / 説剣
王乃牽而上殿,宰人上食,王三環之。莊子曰:「大王安坐定氣,劍事已畢奏矣。」於是文王不出宮三月,劍士皆服斃其處也。
新字:王乃牽而上殿,宰人上食,王三環之。荘子曰:「大王安坐定気,剣事已畢奏矣。」於是文王不出宮三月,剣士皆服斃其処也。
書き下し
王乃ち牽きて殿に上る。宰人食を上(すす)む。王三たび之を環(めぐ)る。荘子曰く、「大王安坐して気を定めよ。剣事は已に畢(お)わりて奏せり」と。是に於いて文王は宮を出でざること三月。剣士は皆な其の処に服斃(ふくへい)せり。
現代語訳
王は荘子の手を取って殿上に導いた。料理人が食事を運んできた。王は三度も席の周りを回って落ち着かない。荘子は言った。「大王、どうか静かに座って、気を鎮めてください。剣のことは、すでに申し上げ終わりました」。こうして文王は三か月、宮殿を出なかった。剣士たちはみな、その場で自ら命を絶った。
解説
説剣篇を締めくくる、短くも重い一段です。王は動揺して、席の周りを三度も回ります。突きつけられたものが、あまりに大きかったのでしょう。そして三か月、宮殿から出ませんでした。剣士たちは、自ら命を絶った。彼らは王の趣味によって集められ、王の趣味が変わったことで、居場所を失いました。上に立つ者の好みひとつで、三千人の運命が決まる。趣味を変えたことは正しかった。しかし、その代償も描かれています。