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荘子 / 説剣

莊子入殿門不趨,見王不拜。王曰:「子欲何以教寡人,使太子先?」曰:「臣聞大王喜劍,故以劍見王。」王曰:「子之劍何能禁制?」曰:「臣之劍,十步一人,千里不留行。」王大悅之,曰:「天下無敵矣。」莊子曰:「夫為劍者,示之以虛,開之以利,後之以發,先之以至。願得試之。」王曰:「夫子休就舍,待命令設戲請夫子。」王乃校劍士七日,死傷者六十餘人,得五六人,使奉劍於殿下,乃召莊子。王曰:「今日試使士敦劍。」莊子曰:「望之久矣。」王曰:「夫子所御杖,長短何如?」曰:「臣之所奉皆可。然臣有三劍,唯王所用,請先言而後試。」

新字:荘子入殿門不趨,見王不拝。王曰:「子欲何以教寡人,使太子先?」曰:「臣聞大王喜剣,故以剣見王。」王曰:「子之剣何能禁制?」曰:「臣之剣,十歩一人,千里不留行。」王大悅之,曰:「天下無敵矣。」荘子曰:「夫為剣者,示之以虚,開之以利,後之以発,先之以至。願得試之。」王曰:「夫子休就舎,待命令設戯請夫子。」王乃校剣士七日,死傷者六十余人,得五六人,使奉剣於殿下,乃召荘子。王曰:「今日試使士敦剣。」荘子曰:「望之久矣。」王曰:「夫子所御杖,長短何如?」曰:「臣之所奉皆可。然臣有三剣,唯王所用,請先言而後試。」

書き下し

荘子殿門に入りて趨(はし)らず、王に見えて拝せず。王曰く、「子は何を以て寡人に教えんと欲して、太子をして先んぜしむるか」と。曰く、「臣は大王の剣を喜むを聞く。故に剣を以て王に見ゆ」と。王曰く、「子の剣は何をか能く禁制する」と。曰く、「臣の剣は、十歩に一人、千里に行を留めず」と。王大いに之を悦びて曰く、「天下に敵無きなり」と。荘子曰く、「夫れ剣を為す者は、之に示すに虚を以てし、之を開くに利を以てし、之に後(おく)れて発し、之に先んじて至る。願わくは之を試むるを得ん」と。王曰く、「夫子休して舎に就け。命令を待ちて戯(ぎ)を設け、夫子を請わん」と。王乃ち剣士を校(くら)ぶること七日、死傷する者六十余人。五六人を得て、剣を殿下に奉ぜしめ、乃ち荘子を召す。王曰く、「今日、試みに士をして剣を敦(きそ)わしめん」と。荘子曰く、「之を望むこと久し」と。王曰く、「夫子の御する所の杖、長短は何如」と。曰く、「臣の奉ずる所は皆な可なり。然れども臣に三剣有り。唯だ王の用うる所なり。請う、先ず言いて後に試みん」と。

現代語訳

荘子は宮殿の門に入っても小走りにならず、王に会っても拝礼しなかった。王は「お前は何を私に教えようとして、太子に先に話を通させたのか」と言った。荘子は「私は大王が剣を好まれると聞きました。だから剣をもってお目にかかるのです」と答えた。王は「お前の剣は、どれほどのものを制することができるか」と尋ねた。「私の剣は、十歩ごとに一人を斬り、千里を行っても足を止めることがありません」。王は大いに喜んで「天下に敵なしだな」と言った。荘子は言った。「剣を使う者は、まず隙を見せ、利で誘い、相手より遅れて動き出し、相手より先に到達します。どうか試させてください」。王は「先生は宿でお休みください。命令を待って試合を設け、お呼びしましょう」と言った。王は七日かけて剣士を選抜し、死傷者は六十余人。五、六人を選び出して、剣を殿下に捧げさせ、荘子を呼んだ。王は「今日、試しに剣士たちに腕を競わせよう」と言った。荘子は「長らくお待ちしておりました」と答えた。王は「先生の使う剣は、長短どのようなものか」と尋ねた。荘子は言った。「私はどんな剣でも扱えます。しかし私には三つの剣があります。王がお選びください。まず説明してから、試させていただきたい」。

解説

荘子が剣術論を語る一段です。「まず隙を見せ、利で誘い、相手より遅れて動き出し、相手より先に到達する」。これは剣術であると同時に、彼が今まさに王に対してやっていることでもあります。剣士の格好で隙を見せ、天下無敵の剣という利で誘い、王に語らせてから、後で本題に切り込む。そして「三つの剣がある」と言って、話を自分の土俵に引き込む。剣を語りながら、剣で戦うつもりはないのです。

この一句を、あなたの毎日に。

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