荘子 / 則陽
少知曰:「然則謂之道,足乎?」大公調曰:「不然。今計物之數,不止於萬,而期曰『萬物』者,以數之多者號而讀之也。是故天地者,形之大者也;陰陽者,氣之大者也;道者為之公。因其大而號以讀之,則可也。已有之矣,乃將得比哉!則若以斯辯,譬猶狗馬,其不及遠矣。」
新字:少知曰:「然則謂之道,足乎?」大公調曰:「不然。今計物之数,不止於万,而期曰『万物』者,以数之多者号而読之也。是故天地者,形之大者也;陰陽者,気之大者也;道者為之公。因其大而号以読之,則可也。已有之矣,乃将得比哉!則若以斯弁,譬猶狗馬,其不及遠矣。」
書き下し
少知曰く、「然らば則ち之を道と謂わば、足れるか」と。大公調曰く、「然らず。今、物の数を計るに、万に止まらず。而も期して『万物』と曰う者は、数の多き者を以て号して之を読むなり。是の故に天地なる者は、形の大なる者なり。陰陽なる者は、気の大なる者なり。道なる者は之が公為(た)り。其の大なるに因りて号して以て之を読むは、則ち可なり。已に之れ有らんか、乃ち将に比を得んや。則ち斯を以て辯ぜば、譬うれば猶お狗馬のごとし。其の及ばざること遠し」と。
現代語訳
少知は「では、それを『道』と呼べば十分でしょうか」と尋ねた。大公調は言った。「そうではありません。今、物の数を数えれば、一万では止まりません。それでも『万物』と呼ぶのは、数の多いものをそう名づけて読んでいるだけです。だから天地とは、形あるもののうちで最も大きいもの。陰陽とは、気のうちで最も大きいもの。道とは、それらに共通するものです。大きいということから、そう名づけて呼ぶのは構いません。しかし、いったん名づけてしまえば、他と比べられるものになってしまう。それで議論するのは、犬や馬を並べて論じるようなもので、はるかに及びません」。
解説
この章句が説くこと
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論語・子罕篇子曰わく、三軍の帥を奪うべくも、匹夫の志を奪うべからず。
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