荘子 / 知北遊
天地有大美而不言,四時有明法而不議,萬物有成理而不說。聖人者,原天地之美而達萬物之理。是故至人無為,大聖不作,觀於天地之謂也。
新字:天地有大美而不言,四時有明法而不議,万物有成理而不説。聖人者,原天地之美而達万物之理。是故至人無為,大聖不作,観於天地之謂也。
書き下し
天地に大美有るも言わず。四時に明法有るも議せず。万物に成理有るも説かず。聖人なる者は、天地の美に原(もと)づきて万物の理に達す。是の故に至人は無為、大聖は作(な)さず。天地に観るの謂いなり。
現代語訳
天地には大いなる美があるが、それを語らない。四季にはっきりとした法則があるが、それを議論しない。万物には出来上がった筋道があるが、それを説かない。聖人とは、天地の美に根ざして、万物の筋道に通じた者である。だから至人は何もせず、大聖は作為をしない。天地を観るとは、そういうことだ。
解説
「天地有大美而不言」という、荘子で最も美しい一句を含む一段です。天地は大いなる美を持っていますが、それを語りません。四季は法則を持っていますが、議論しません。万物は筋道を持っていますが、説きません。持っているのに、語らない。そして聖人は、それに倣って何もしない。語らないことは、隠しているのではありません。語る必要がないほど、そのものが現れているのです。本当に美しいものは、美しいと言いません。本当に筋の通ったものは、説明を要しません。