荘子 / 山木
異日,桑雽又曰:「舜之將死,真泠禹曰:『汝戒之哉!形莫若緣,情莫若率。緣則不離,率則不勞;不離不勞,則不求文以待形;不求文以待形,固不待物。』」
新字:異日,桑雽又曰:「舜之将死,真泠禹曰:『汝戒之哉!形莫若縁,情莫若率。縁則不離,率則不労;不離不労,則不求文以待形;不求文以待形,固不待物。』」
書き下し
異日、桑雽又た曰く、「舜の将に死せんとするや、真泠(しんれい)して禹に曰く、『汝之を戒めよ。形は縁(したが)うに若くは莫く、情は率(したが)うに若くは莫し。縁えば則ち離れず、率えば則ち労せず。離れず労せざれば、則ち文を求めて以て形を待たず。文を求めて以て形を待たざれば、固より物を待たず』と」。
現代語訳
後日、子桑雽はまた言った。「舜が死のうとする時、真心をこめて禹に告げた。『お前は心せよ。体は、成り行きに従うに越したことはない。心は、そのままの情に従うに越したことはない。成り行きに従えば、離れることがない。そのままに従えば、疲れることがない。離れず疲れなければ、飾り立てて体裁を整える必要もない。飾り立てて体裁を整える必要がなければ、そもそも外の物に頼る必要もない』と」。
解説
舜の遺言という形を借りた、簡潔な処世訓です。体は成り行きに従い、心はそのままの情に従う。すると離れず、疲れない。この連鎖が味わい深い。無理に自分を作らないから、周りとも離れない。飾らないから、疲れない。そして飾る必要がなければ、外の物に頼る必要もなくなる。逆に言えば、私たちが物を必要とするのは、飾らねばならないからです。立派に見せるための持ち物、体裁を保つための出費。飾ることをやめた瞬間に、必要なものは驚くほど減ります。