荘子 / 刻意
故曰:聖人休,休焉則平易矣,平易則恬惔矣。平易恬惔,則憂患不能入,邪氣不能襲,故其德全而神不虧。
新字:故曰:聖人休,休焉則平易矣,平易則恬惔矣。平易恬惔,則憂患不能入,邪気不能襲,故其徳全而神不虧。
書き下し
故に曰く、聖人は休す。休すれば則ち平易なり。平易なれば則ち恬惔なり。平易恬惔なれば、則ち憂患も入る能わず、邪気も襲う能わず。故に其の徳全くして神(しん)虧(か)けず。
現代語訳
だから言うのだ。聖人は憩う。憩えば、平らかで易しくなる。平らかで易しくなれば、淡々としてくる。平らかで淡々としていれば、憂いも入り込めず、邪な気も襲えない。だからその徳は全うされ、精神は欠けることがない。
解説
「聖人は休す」から始まる連鎖です。憩う、平らかになる、淡々とする、憂いが入らない、徳が全うされる。すべての起点が「休む」ことにあります。頑張ることではなく、休むことが起点なのです。憂いや邪な気が入り込むのは、心に隙間や緊張があるからです。張り詰めた心は、外からの刺激に反応してしまう。平らかで淡々としていれば、そもそも引っかかりません。休むことは、怠けることではありません。徳を全うするための、最初の一手なのです。