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史記 / 魯周公世家

周公卒するの後、秋未だ穫らず、暴風雷雨し、禾尽く偃し、大木尽く抜く。周国大いに恐る。成王大夫と朝服して以て金縢の書を開く、王乃ち周公の自ら以て功を為し武王に代はらんとするの説を得たり。成王書を執りて泣きて曰、昔周公王家に勤労するも、惟だ予幼人にして知るに及ばず。今天威を動かして以て周公の徳を彰す。王郊に出づ、天乃ち雨り、風を反し、禾尽く起つ。

書き下し

周公卒するの後、秋未だ穫らず、暴風雷雨し、禾尽く偃し、大木尽く抜く。周国大いに恐る。成王大夫と朝服して以て金縢の書を開く、王乃ち周公の自ら以て功を為し武王に代はらんとするの説を得たり。成王書を執りて泣きて曰く、「昔周公王家に勤労するも、惟だ予幼人にして知るに及ばず。今天威を動かして以て周公の徳を彰す」と。王郊に出づ、天乃ち雨り、風を反し、禾尽く起つ。

現代語訳

「隠された真心は、時を経て、必ず明らかになり、正当に報われる」——周公の、誰にも語らなかった献身が、その死後、明らかになった一段です。周公旦が、亡くなった後のことです。秋、まだ収穫前だというのに、突如、激しい暴風雨と雷が、周の国を襲いました。実った稲は、ことごとく、なぎ倒され、大木さえ、根こそぎ、引き抜かれる、という、ただならぬ天変地異です。周の国中が、恐れおののきました。(天の怒りではないか、と。)そこで、成王は、大夫たちとともに、正装して、(先王の遺物を納めた、)「金縢(きんとう)」——金の紐で綴じられた、あの箱を、開いてみました。すると、そこから、思いもよらぬ書が、出てきたのです。それは——かつて、兄・武王が病に倒れたとき、周公が、(誰にも知らせず、)「自らの命を、身代わりに差し出すから、どうか、兄王を救ってほしい」と、祖先に祈った、あの、祈りの記録でした。周公は、この、命がけの献身を、生涯、誰にも語らず、この箱に、封じ込めて、(何の見返りも、称賛も、求めずに、)黙っていたのです。しかも、(成王が幼い頃、)「周公は、王位を狙っている」と、中傷され、疑われてさえ、彼は、この、身の潔白を証す書を、(開いて見せることも、)しなかった。成王は、この書を手に取り、(周公の、隠された、深い真心を知って、)涙を流して、こう言いました。「昔、周公は、(これほどまでに、)王家のために、身を粉にして尽くしてくださっていたのに、私は、幼くて、それを、知ることが、できなかった。今、天が、(この暴風雨によって、)その威を示し、周公の(隠された)徳を、明らかにしてくださったのだ(今天動威以彰周公之德)」と。そして、成王が、(周公を、心から敬い、)郊外に出て、その霊を迎えると——天は、雨を降らせ、風を、逆に吹かせて、なぎ倒された稲は、すべて、ふたたび、起き上がった、といいます。ここに、真心についての教訓があります。第一に、誰にも語らず、見返りも求めず、静かに尽くした、真の献身や真心は——たとえ、その時は、誰にも知られず、あるいは、誤解され、中傷されても——時を経て、いつか、必ず、明らかになり、正当に、報われるということ(天動威以彰周公之德)。第二に、だからこそ、目先の評価や、誤解に、一喜一憂せず、(誰も見ていなくとも、)誠実に、尽くし続けること。周公は、疑われても、自らの潔白を、声高に、証そうとはしなかった。ただ、黙って、尽くし続けた。第三に、そして、そうした真心を、(時を経てでも、)見出し、正当に評価する側の、誠実さもまた、大切だということ(成王の涙)。組織や人生で、誰にも知られず見返りも求めない真の献身がいつか必ず明らかになると信じること、目先の評価や誤解に一喜一憂せず誠実に尽くし続けること、そして人の隠れた真心を見出し正当に評価する誠実さを持つこと——金縢の書の逸話は、隠された真心が必ず報われることを教えます。

解説

あなたは、誰にも語らず、見返りも求めず、静かに尽くした真の献身や真心が、たとえその時は誰にも知られず、誤解されても、時を経ていつか必ず明らかになると、信じられますか?目先の評価や、周囲の誤解に一喜一憂せず、誰も見ていないところでも、誠実に尽くし続けることができますか?そして、あなた自身が、周囲の人の隠れた真心や、目立たない貢献を、見出して正当に評価する誠実さを、持てていますか?

この一句を、あなたの毎日に。

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