史記 / 李将軍列伝
太史公曰:傳曰:「其身正,不令而行;其身不正,雖令不從。」其李將軍之謂也?余睹李將軍悛悛如鄙人,口不能道辭。及死之日,天下知與不知,皆爲盡哀。彼其忠實心誠信於士大夫也?諺曰「桃李不言,下自成蹊」。此言雖小,可以諭大也。
新字:太史公曰:伝曰:「其身正,不令而行;其身不正,雖令不従。」其李将軍之謂也?余睹李将軍悛悛如鄙人,口不能道辞。及死之日,天下知与不知,皆為尽哀。彼其忠実心誠信於士大夫也?諺曰「桃李不言,下自成蹊」。此言雖小,可以諭大也。
書き下し
太史公曰く、伝に曰く、「其の身正しければ、令せずして行はれ、其の身正しからざれば、令すと雖も従はず」と。其れ李将軍の謂か。余李将軍を睹るに、悛悛として鄙人のごとく、口に辞を道ふ能はず。死するの日に及び、天下知ると知らざると、皆為に哀を尽くす。彼れ其の忠実の心誠に士大夫に信ぜられたるか。諺に曰く、「桃李言はざれども、下自ら蹊を成す」と。此の言小なりと雖も、以て大を諭す可きなり。
現代語訳
太史公は言う。「伝えにこう言う。『その身が正しければ、命じなくとも行われる。その身が正しくなければ、命じても従われない』と。まさに李将軍のことを言うのであろうか。私が李将軍を見たところ、素朴でまるで田舎者のようで、口では言葉をうまく操ることもできなかった。それが死んだ日には、天下の者は、彼を知る者も知らない者も、みな心から悼み悲しんだ。彼のあの誠実な心が、まことに士大夫に信じられていたということであろうか。ことわざにこう言う。『桃や李は何も言わないが、その下には自然と小道ができる』と。この言葉は小さなことを言っているようだが、大きなことを説き明かすのに使えるのである」。
解説
この章句が説くこと
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