史記 / 仲尼弟子列伝
孔子曰、受業身通者七十有七人、皆異能之士也。德行、顏淵・閔子騫・冉伯牛・仲弓。政事、冉有・季路。言語、宰我・子貢。文學、子游・子夏。師也辟、參也魯、柴也愚、由也喭、回也屢空。賜不受命而貨殖焉、億則屢中。孔子之所嚴事、於周則老子、於衛蘧伯玉、於齊晏平仲、於楚老萊子、於鄭子產、於魯孟公綽。
新字:孔子曰、受業身通者七十有七人、皆異能之士也。徳行、顏淵・閔子騫・冉伯牛・仲弓。政事、冉有・季路。言語、宰我・子貢。文学、子游・子夏。師也辟、参也魯、柴也愚、由也喭、回也屢空。賜不受命而貨殖焉、億則屢中。孔子之所厳事、於周則老子、於衛蘧伯玉、於斉晏平仲、於楚老萊子、於鄭子産、於魯孟公綽。
書き下し
孔子曰く、「業を受け身に通ずる者七十有七人」、皆異能の士なり。徳行には、顔淵・閔子騫・冉伯牛・仲弓、政事には、冉有・季路、言語には、宰我・子貢、文学には、子游・子夏あり。師や辟、参や魯、柴や愚、由や喭、回や屢々空し、賜は命を受けずして貨殖し、億すれば則ち屢々中る。孔子の厳事する所は、周に於いては老子、衛に於いては蘧伯玉、斉に於いては晏平仲、楚に於いては老萊子、鄭に於いては子産、魯に於いては孟公綽なり。
現代語訳
孔子は「教えを受けて道に通じた者は七十七人」と言った。みな並外れた才能の持ち主だった。徳行にすぐれた者は顔淵・閔子騫・冉伯牛・仲弓、政治には冉有・季路(子路)、弁舌には宰我・子貢、学問には子游・子夏がいた。それぞれに個性があり、子張はやや奇矯、曾参はのろま、子羔は愚直、子路は粗野、顔回はしばしば貧窮し、子貢は天命によらず自ら財を求めて商売し、予測すればよく当てた。孔子が敬い仕えた人は、周では老子、衛では蘧伯玉、斉では晏平仲、楚では老萊子、鄭では子産、魯では孟公綽だった。
解説
人材を「一つの物差し」で測らず、それぞれの強みで分類して活かすという、組織づくりの根本思想を示す序文です。孔子は弟子たちを徳行・政事・言語・文学という四つの領域(四科)に分けて把握しました。同じ門下でも、人格者タイプ、実務家タイプ、交渉・弁舌タイプ、研究者タイプがいる。全員に同じ能力を求めるのではなく、それぞれが際立つ分野で力を発揮させる——これは現代の人材マネジメントそのものです。さらに孔子は各弟子の弱点(奇矯・鈍重・愚直・粗野)も率直に把握していました。強みと弱みの両方を正確に見極めてこそ、適材適所が実現します。そして注目すべきは、あの孔子でさえ、老子・子産・晏平仲ら各地の賢人を敬い、学ぶ相手としていたこと。どれほどの立場になっても、優れた他者から学び続ける姿勢を失わない——教える者もまた学ぶ者であるという、リーダーの原点が示されています。
この章句が説くこと
四科十哲適材適所多様な才能強みと弱み人材分類学び続ける姿勢
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