史記 / 孫子呉起列伝
文侯以吳起善用兵、廉平、盡能得士心、乃以為西河守、以拒秦韓。
新字:文侯以吳起善用兵、廉平、尽能得士心、乃以為西河守、以拒秦韓。
書き下し
文侯、呉起の善く兵を用ゐ、廉平にして、尽く能く士の心を得るを以て、乃ち以て西河の守と為し、以て秦・韓を拒ばしむ。
現代語訳
文侯は、呉起が用兵に優れ、清廉公平で、兵の心を完全につかんでいることを認め、彼を西河の長官に任じ、秦と韓の侵攻を防がせた。
解説
人を要職に据える際の、実績に基づいた「適所への配置」を示す短い一段です。文侯は呉起を、単に武功があるからというだけでなく、「用兵の才」「清廉公平さ」「兵の心をつかむ統率力」という具体的な資質を総合評価したうえで、最も過酷な国境防衛の要職(西河守)に任じました。人を配置するとは、肩書や単発の成果ではなく、その人が持つ複数の資質を見極め、それが最も活きる場所に置くことです。呉起の場合、軍事能力・公平さ・人望という三拍子が、対秦・対韓の最前線という「まさにその力が必要な場所」に合致した。適材適所とは、優れた人材をどこでもいいから使うのではなく、その人の強みが組織の急所を守る配置を設計することだと示しています。前段までに描かれた欠点を持つ呉起も、その強みが必要とされる場所では、最大の戦力になったのです。
この章句が説くこと
適材適所配置の設計実績評価強みが活きる場所西河守要職
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