三略 / 下略
賢臣內,則邪臣外。邪臣內,則賢臣斃。內外失宜,禍亂傳世。
新字:賢臣內,則邪臣外。邪臣內,則賢臣斃。內外失宜,禍乱伝世。
書き下し
賢臣内にあれば、則ち邪臣外にあり。邪臣内にあれば、則ち賢臣斃る。内外宜しきを失へば、禍乱世に伝はる。
現代語訳
賢明な臣が内にあれば、邪な臣は外に退く。邪な臣が内にあれば、賢明な臣は倒れる。内と外の配置が適切さを失えば、災いと乱れは何代にもわたって伝わっていく。
解説
組織の中枢に誰を置くかが、すべてを決めると説く段です。賢臣が内にいれば邪臣は外へ押し出され、邪臣が内に入れば賢臣は倒される。中枢は一つしかないのだから、そこを占めるのがどちらかによって、もう一方の運命が自動的に決まるという構図です。両者が仲良く共存することはありません。そして、この配置を誤れば、その害は当代だけで終わらず、何代にもわたって禍と乱れを引きずることになります。人事の誤りが長期に及ぶという警告です。経営でも、経営者のすぐ近くにどんな人物を置くかは、他のどんな施策より大きな影響を持ちます。耳に心地よい報告をする人が側近になれば、正論を言う人から順に去っていく。逆に、諫言できる人を側に置けば、迎合する人は居場所を失います。人事は積み木ではなく、席の奪い合いです。誰を最も近くに置くかを、経営者は最も慎重に決めねばなりません。