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三略 / 中略

存社稷,羅英雄者,中略之勢也,故勢秘焉。

書き下し

社稷を存し、英雄を羅するは、中略の勢なり、故に勢は秘せらる。

現代語訳

国家を保ち、英雄たちを網にかけて集めること。これが中略の説く勢というものである。だからこの勢は秘められているのである。

解説

中略を締めくくる、ごく短い一段です。国家を保つことと、英雄を集めて手中に収めること。この二つが中略の説く勢だと言い切ります。そのうえで、だからこそこの勢は秘められるのだ、と結びます。なぜ秘めるのか。中略が扱ってきたのは、功臣に位を与えつつ実権を取り上げるといった、権力の機微に触れる技術だからです。手の内を明かせば相手に読まれ、効力を失う。それだけでなく、公然と語れば人心を損ないかねない性質のものでもあります。経営に置き換えれば、組織を保つために経営者が行う人事の判断には、すべてを説明しきれない領域があるということでしょう。ただし秘めることと欺くことは違います。語らずに行うにしても、その根に組織全体を保つという目的があるかどうか。そこが問われます。秘密の技術ではなく、責任の重さとして受け取りたい一段です。

この一句を、あなたの毎日に。

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