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三略 / 中略

軍勢曰:使義士,不以財。故義者,不為不仁者死。智者,不為闇主謀。

書き下し

軍勢に曰く、義士を使ふに、財を以てせず。故に義なる者は、不仁の者の為に死せず。智なる者は、闇主の為に謀らず。

現代語訳

軍勢に言う。義を重んじる者を動かすのに、財貨を用いてはならない。だから義ある者は、思いやりのない者のために命を捨てはしない。知恵ある者は、道理に暗い主君のために策を巡らしはしない。

解説

人を動かす手段は相手によって変えねばならない、という前段の用人論を、さらに踏み込んで述べた一段です。義を重んじる人は、金銭で釣られることを侮辱と受け取ります。彼らが身を投じるのは、その相手が仁のある人物だと信じられるときだけです。同じく知恵ある人は、道理をわきまえない主君のためには頭を使いません。優れた人材ほど、報酬ではなく相手の人格と志を見て身の置きどころを決めるということです。ここには、経営者にとって耳の痛い含意があります。優秀な人が採れない、あるいは去っていくとき、原因を待遇の不足に求めがちですが、実際には自分自身が信頼に値する人物として見られていないだけかもしれません。高い志を持つ人を迎えたいなら、まず迎える側が志と誠実さを備えているかが問われます。人は条件に応募し、人物に付いていくのです。

この一句を、あなたの毎日に。

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