三略 / 上略
軍讖曰:世世作姦,侵盜縣官,進退求便,委曲弄文,以危其君,是謂國姦。
新字:軍讖曰:世世作姦,侵盗県官,進退求便,委曲弄文,以危其君,是謂国姦。
書き下し
軍讖に曰く、世世に姦を作し、県官を侵盗し、進退に便を求め、委曲して文を弄し、以て其の君を危うくす。是を国姦と謂う、と。
現代語訳
軍讖にこうある。代々にわたって不正を働き、官の財を侵し盗み、進退につけて自分に都合のよいように図り、あれこれと言葉をもてあそび、法や文書を都合よく解釈して、ついには主君を危うくする。こういう者を国の奸賊という、と。
解説
組織の内部に代々巣くう不正を告発した一段です。特徴は「文を弄す」という一句にあります。彼らは暴力ではなく、規則や文書の解釈をねじ曲げることで私腹を肥やすのです。進むにも退くにも自分の都合を優先し、言葉の運用で身を守る。そうして長い年月をかけて組織を蝕み、ついには主君の地位まで危うくする。三略はこれを国姦と呼びます。現代の企業でも、この手口は形を変えて生き残っています。規程の抜け穴を熟知し、稟議の書き方で実態を隠し、責任の所在を文書上あいまいにする。手続きを踏んでいるがゆえに、外からは不正と見えにくいのが恐ろしいところです。防ぐには、ルールの数を増やすことより、実態を見に行く姿勢が要ります。書類が整っていることと、正しいことは別だという前提に立ち、現物と現場を確かめる。この習慣が、静かな腐敗への最大の抑止力になります。
この章句が説くこと
国姦規則の悪用内部不正実態の確認
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